「明日までに資料を作らなければいけないのに、どうしてもやる気が出ない……」そんな経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
やらなければならないことがあるのにやる気が出ないときは、気分も落ち込みがちになってしまうものです。
この記事では、やる気が出ない理由と、やる気を出す方法について解説します。簡単に実践できる方法も解説しているので、ぜひ一読してみてください。
やる気とは?モチベーションとの違いも解説
そもそもやる気とは?
やる気とは、自らの意欲や興味に基づいて、進んで物事に取り組む気持ちのことを指します。具体的には、やるべきことや目標に対して情熱を持って前向きな態度をとったり、積極的な行動をとったりすることなどが含まれます。
また、やる気は脳から分泌される神経伝達物質であるドーパミンと密接な関係があるとされています。具体的には、タスクを達成したときや目標に近づいたときに、ドーパミンが放出され、その快感がやる気を高めます。運動をしたり、趣味に没頭したり、自分のやりたいことを達成することで、ドーパミンが分泌され、やる気が高まることにつながります。
モチベーションとの違い
「やる気」に似た言葉として、「モチベーション」があります。どちらもよく聞く言葉ですが、皆さんはその意味を正しく理解しているでしょうか?
やる気とモチベーションは、似たような意味合いを持つ言葉ですが、微妙に異なる意味を持ちます。まず、やる気は、進んで物事を成し遂げようという意欲的な気持ちを指します。
一方で、モチベーションは、目標を達成するための動機付けや行動を起こす理由のことを指します。
つまり、モチベーションは、行動しようとする要因や動機であり、やる気はモチベーションによって引き起こされる、実際に行動をし続けるための気力やエネルギーを指します。
やる気が出ないのはなぜ?やる気が出ない7つの理由
仕事や勉強など、やらなければいけないことは分かっているものの、どうしてもやる気が出ないことがあるのではないでしょうか?
ここではやる気が出なくなってしまう理由を7つの観点から解説します。
疲れが溜まっている・体調が整っていない
疲労がたまっている状態では、身体的なだるさや集中力の低下などが起こり、やる気が出にくくなります。
また、睡眠不足や運動不足、栄養バランスの乱れなども疲労を引き起こす要因となります。
悩み・考え事が多く集中できない
悩みや考え事が多くて集中できない状態のことを、心理学的には、「認知的負荷」と呼びます。認知的負荷とは、脳が同時に処理できる情報量を超えてしまうと、集中力や思考力が低下してしまう状態になることです。
このような状態に陥ると、集中力が続かず、作業に取り組むことが困難になって、やる気が出なくなってしまいます。また、悩みや考え事が多くて精神的に疲れてしまうこともあります。
不規則な生活をしている
毎日睡眠時間がバラバラ、食事はコンビニ弁当ばかりといった不規則な生活は、身体的な疲労感やストレスを引き起こすことがあります。このような状態が長引くと、頭の回転が遅くなり、やる気が出なくなることがあります。
頑張っても評価されない
頑張っているのに評価されないという状況は、やる気を削ぐ原因の一つです。人間は自分の努力や成果が認められることでやる気が向上するものですが、それが見込めないとなるとやる気が出にくくなります。
また、評価の基準が不明確であったり、公平でない場合にも、努力しても意味がないと感じてしまい、やる気が低下することがあります。
成果が出ない
目標を達成できなかったり、思ったような成果があげられなかったりすると、やる気が出なくなることがあります。努力をしても成果が出ないことで、頑張っても意味がないと感じてしまうのです。
また、成果が出ないことに焦りやイライラを感じ、そのストレスがさらにやる気を削いでしまう場合もあります。
意義・目的が見出せない
何のためにこの作業をしているのか、何が得られるのかという目的が見出せないと、その作業に対してやる気を起こすことができなくなってしまいます。
自分が決めたことではないことや、他人から強制されている作業ではこういった思考に陥りがちです。
何から手を出せばいいのかわからない
やることが多かったり、手順が定まっておらず、何からすればいいか分からない状態だと、焦りや不安だけが高まり、なかなか手を付ける気力がわかなくなってしまうことがあります。
やる気を出す方法11選を解説!
ここまでやる気が出なくなってしまう理由を解説してきましたが、どうしてもやる気を出さなければならない場面もあるでしょう。ここでは、すぐに試せる方法と中長期的にやる気を維持する方法の2つに分けて、やる気を出す方法を解説します。
まずは試してみたい!自然にやる気が出る行動7選
1分だけ作業する
タスクに取り組むことへの抵抗感ややる気の低下は、多くの場合、取りかかる前のハードルが高く感じることによって引き起こされます。しかし、1分という短い時間ならば、そのハードルが下がり、やってみようという気になるでしょう。
制限時間を決める
制限時間を決めて作業することも、やる気を出す方法の一つです。
まず、制限時間を設定することでタスクに集中しやすくなります。時間制約があると、無駄な時間を避けて効率的に取り組む必要が生じます。短い時間内に成果を出すために、集中力や生産性を高める効果が期待できます。
また、時間の制約があると、自分自身にとって重要なタスクや目標を達成するために必死になり、達成感や充実感を味わうことができます。タイムプレッシャーによって、意欲ややる気が高まることがあります。
姿勢を正す
正しい姿勢をとると、呼吸や血液循環に良い影響を与え、脳に酸素や栄養が適切に供給されます。これにより脳の働きが活性化され、集中力や注意力の向上が期待できます。
また、姿勢がまっすぐで堂々としていると、ポジティブな気分が醸成され、やる気を向上させることもあります。
ごほうびを用意する
「この作業が終わったら好きなお菓子を食べる」「仕事が終わったら友達と飲みに行く」など、自分が目標やタスクを達成した際のごほうびを用意することで、やる気を高める効果があります。
また、ごほうびは自己肯定感や自己価値感を高める効果もあります。自分自身が目標を達成し、ごほうびを受けることで、自信を得ることができます。これにより、自己肯定感が向上し、次の目標に取り組む自信や意欲が湧いてきます。
冷たいシャワーを浴びる
冷たいシャワーを浴びることは、身体と心の活性化を促します。冷たい水の刺激によって、交感神経が刺激され、血行が良くなります。これにより、眠気やだるさが軽減され、身体のエネルギーが高まります。
なお、冷たいシャワーを浴びる際には、個人の体温や健康状態に合わせて調節し、無理のない温度で浴びるようにしましょう。
場所を変える
新しい環境や場所に移動することで、新たな気分や刺激を得ることができます。同じ場所や環境で作業を続けると、飽きが生じることがありますが、新しい場所に移動することで刺激を受け、気分がリフレッシュされます。
これにより、頭の中が整理され、改めて「やってみよう」という気分になり、やる気が出ることがあります。
軽い運動をする
軽い運動も、やる気を出すためには効果的です。軽いウォーキングやジョギングなどの運動を通して日常のルーティンや気乗りしない作業から一時的に離れ、新たな刺激を得ることで、マンネリ感やモチベーションの低下を打破し、やる気を出すことができます。
やる気を維持するために!中長期的にやる気を出す方法4選
規則正しい生活をして、体調を整える
「やる気が出ない理由」の段落でも解説しましたが、不規則な生活によって疲労感が溜まると頭の回転も遅くなり、活動に対する意欲がわかなくなってしまいます。
適度な運動やバランスの取れた食事、規則正しい生活によって体調を整え、心と身体を健康な状態にすることは、やる気を持続させるための基盤となります。
目標を周囲に公言する
目標を周囲に公言することは、自己責任を高める効果があります。目標を他人に伝えることで、自分の中にその目標を達成するために努力する責任感や義務感が生まれ、やる気や意欲が高まります。
また、目標を公言することは、周囲からサポートや助言を受ける機会を生み出します。周囲の人々が目標について知っていることで、彼らからのサポートやアドバイスを受けることができます。サポートや助言をもらうことで、自信やモチベーションが高まり、目標達成への道がより明確になります。
向上心がある仲間をつくる
向上心がある仲間を持つことは、やる気の維持につながります。仲間と一緒に目標に向かって努力し、成果を共有することで、刺激や切磋琢磨の機会が増えます。向上心のある仲間との関わりは、自身の目標達成に向けた意欲に対して好影響を与え、やる気を高める助けとなります。
また、失敗や挫折をしてやる気が出なくなってしまうときにも、仲間の支えや助言によって、気持ちを切り替え、前向きな気持ちで困難を乗り越えることができます。
引っ越しなどで環境を変える
引っ越しなどで大きく環境を変えると、新しい風景や文化、人々との出会いがあります。これにより、興味や好奇心が刺激され、やる気を引き出すことができます。
また、新しい環境では、これまでのしがらみから解放され自分自身をリセットできることで、新たな目標を立ててみたり、新しい挑戦に向けた意欲を高めたりすることができます。
それでもやる気が出ないときは
ここまでやる気を出す方法を解説してきましたが、時にはこれらを試してみてもどうしてもやる気が起きないときや、試すことさえ億劫になってしまうときもあるでしょう。
ここではどうしてもやる気が出ないときの対処法をご紹介します。
丸一日休んでみる
丸一日休むことによって、身体と心の疲労を回復させることができます。連日の忙しさやストレスによって、身体や脳は疲弊してしまいます。休息をとることで、睡眠不足の解消やストレスの緩和が図れます。これによって、体調が整い、精神的なバランスが回復します。
やるべきことがあるときに休んでしまうと罪悪感があるかもしれませんが、一日の休息は、創造性や生産性を高める効果もあります。例えば、休息をとることで、頭の中が整理され、新たなアイデアや視点が湧き出ることがあります。また、疲労やモチベーションの低下によって生じるミスやエラーも防ぐことができます。
休息を通じて、効率的な作業や思考を再開できることもあるため、時には好きな趣味に没頭したり、散歩や読書などリラックスする活動を行ったりすることで、心身のリフレッシュをしてみてもよいのではないでしょうか。
自己啓発本や、偉人の名言を読む
自己啓発本や偉人の名言を読むことは、インスピレーションやモチベーションの源となります。これらの本や名言には、成功や困難を乗り越えた人々の知恵や経験が詰まっています。その言葉に触れることで、自身の意欲や情熱が刺激され、新たな視点やアイデアを得ることができます。
また、自己啓発本や偉人の名言は、自己成長や目標達成に向けた指針となります。成功者のエピソードや考え方を学ぶことで、自分自身の行動や思考を振り返り、改善することができます。これによって、自己啓発やスキルの向上につながり、やる気や自信を高めることができます。
とはいえ、どういった本を読めばよいのかイメージが付かない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
筆者おすすめのやる気が出ないときにモチベーションが上がる本を2冊ご紹介します。
完訳 7つの習慣~人格主義の回復~
タイム誌が選ぶ世界で最も影響力のあるアメリカ人25人のひとりであるスティーブン・R・コヴィー氏が執筆した書籍です。
成功を目指すためには、成功を支える人格をまず構築することが何よりも重要であり、本著ではそのための「7つの習慣」を具体的に解説しています。
夢をかなえるゾウ
ベストセラーとなり、テレビドラマ化もされた水野敬也氏の書籍です。現在では第5作まで出版されており、サラリーマンやお笑い芸人など様々な人が、自らを「神様」と名乗る生物・ガネーシャの指南によって人生を変えていく物語です。
小説として気軽に読める中にも、「これくらいなら自分でもできるかも」と思えるような教えがあり、読んだ後にはやる気が出てくる一冊です。
成功した自分を想像する
自分自身が成功を収め、目標を達成した姿を具体的にイメージすることで、成功への明確なビジョンを描くことができます。このビジョンは、目標達成への意欲を高める効果があり、やる気やパフォーマンスを向上させる力となります。
また、成功した自分をイメージすることで、「イメージした自分になれるように頑張ろう」と失っていた目標を取り戻すことができます。
まとめ
この記事では、やる気を出す方法について解説しました。
どんな人にでもやる気が出ない日はあるものです。しかし、やる気を出す方法を知っているだけでも、気持ちを切り替える手助けになるかもしれません。
今回ご紹介した中に、どれか1つでも「これならできそう」というものがあれば、参考にしていただければ幸いです。