読書は、新しい知識や情報を得るための貴重な手段です。しかし、日々たくさんの本を読んでいると、「あの本のタイトルなんだったけ…?」「読んだ気がするけれど、どんな内容か忘れてしまった」と思った経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、「読書ノート」です。本記事では、読書ノートの作成方法やそのメリットについて詳しく解説します。
読書ノートの書き方について学び、読書体験をより充実させるためのヒントを探っていきましょう。
読書ノートとは?
読書ノートとは、読んだ本の内容や自分の感想、重要なポイントを記録し、整理するためのノートのことです。
ただ本を読むだけでなく読書ノートに記録することで、本の内容を再確認し、理解を深めることができます。また、自分の考えや気付きを整理することで、新たなアイデアや知識の獲得につながりやすくなるという特徴があります。
読書ノートは手帳や専用のノートに手書きすることが一般的ですが、最近は専用のスマートフォンアプリなどもあるため、自分に合ったスタイルで記録をつけることができます。
読書ノートをつけるメリットとは?
読書ノートをつけることには、様々なメリットがあります。ここでは、読書ノートをつけるメリットを5つご紹介します。
記憶に残りやすくなる
読書によって得た情報を言葉や図表にまとめることで、ただ読むのに比べ記憶に定着しやすくなります。
皆さんの中にも勉強の際に、教科書を漠然と読むだけでなく書きながら覚えたという経験がある方もいるのではないでしょうか。読書ノートも同じで、文字を手書きする事で脳が活性化され、ただ本を読んだだけの時よりも本の内容が記憶に残りやすくなります。
知識を整理でき、理解が深まる
読書ノートを作成することで、本の構造や章立てを把握し、本の内容を要点や順序に沿って整理することができます。
また、重要な情報や興味深い箇所を要約したり、引用したりすることで、本の核心や著者の主張を明確に把握することができます。
知識を活用しやすくなる
読書ノートを作成することで、後になってその知識を取り出しやすくなります。読書の記録をする際には、本に直接書き込むという方法もありますが、後から「どこに書いてあったっけ?」と該当箇所を探すのに時間がかかってしまうケースも少なくありません。
読書ノートを作成し、本の要約や必要な情報をまとめておくと、必要なときに素早くアクセスできるという効果があります。
目的意識を持つことができる
読書ノートを書こうと思いながら読書をすると、なぜその本を読んでいるのか、その本からどのような知識を得たいのかということを意識することができ、読書のモチベーションを保つことができます。
また、読書ノートに記載するために意識的に要点を掴めるようになるため、重要な情報や知識に集中しながら読書をすることができます。
自分の気持ちを言語化する練習になる
読書ノートをつけると、自分の気持ちを言語化する練習にもなります。
ノートを作成する際には、その本の良かったポイントやその本を読んで考えたことを言葉に起こす必要があります。読書ノートをつけることで、自分の考えを整理し、より具体的に表現する練習をすることができます。
また、感じた喜びや驚き、疑問や葛藤などを言語化することで、より深く自己理解を深めることができます。
読書ノートの書き方!基本の6項目を解説
それでは実際に読書ノートを書いてみましょう。ここでは、何を書いたらよいかわからないという人に向けて、基本の6項目をご紹介します。
読書ノートは基本的に何を書いてもよいものですので、必ずこれを書かなければいけないということはありません。基本の6項目を参考に、自分が続けやすいオリジナルの読書ノートを作りましょう。
本の基本情報
読書ノートを書く際にまず押さえておきたいのは、読んだ本の基本情報です。具体的には以下の内容をメモしましょう。
・本のタイトル
・作者名
・出版社
・初版の発行年月日
初版の発行年月日は、意外に思う方もいらっしゃるかもしれません。実用書などの場合は後から振り返ってみると内容が古くなっていて、正しい情報ではなくなってしまうケースもあるため、いつ出版された本なのかという情報も読書ノートには必要な要素となります。
これらの基本情報をノートにメモすることで、後から人にその本をおすすめする際や、読み返す際にも役に立ちます。
読んだ日付
基本情報とあわせて、その本を読んだ日付もメモするようにしましょう。
人間の感情や思考は、時間の経過とともに変化するものです。本を読んだ日付を書くことで、「この頃はこんな風に考えていたんだな……」と自らの感情や思考の変遷を追いやすくなります。
また、定期的に読書を行い、その日付をノートに書き込むことで、自分がどれだけの量の本を読んできたのか、読書習慣をどの程度維持できているのかを把握することができ、目標に向かって進んでいる実感を得ることにもつながるでしょう。
本の内容の要約
次に、本の主要なポイントやキーワードを抽出し、要点をまとめましょう。本の要約をまとめておくことで後で読み返す必要がある場合や他の人と内容を共有する際にも役立ちます。
読書ノートは自分が見るためのものなので、きれいに書くことにこだわる必要はありません。箇条書きや図解、イラストを描いてみるなど、自分に合った要約のスタイルを見つけることも大切です。
心に残った文章
本の要約だけでなく、心に響いた言葉や表現があれば一緒に書き残しておきましょう。
良い文章や格言は、人生の指針や価値観を示してくれることがあります。あわせて心に残った理由をメモしておくと、ノートを振り返った際に、自分自身の人生や価値観について、改めて考えを深めることができるでしょう。
自分の感想や意見
読んだ本の内容やテーマについて自分なりの考えや感じたことをまとめましょう。
自分の感想や意見を書くことは、自己表現の一環となります。本に触れた感動や驚き、共感や批判など、自分の内面的な反応を言葉にすることで、思考や感情の整理ができます。
感想を書くというと、宿題の読書感想文のようで気が重くなってしまうかもしれませんが、そこまで気負う必要はありません。簡単な一行の感想でもいいので、本を読んで思ったことを自由に書いてみましょう。
疑問点やもっと知りたいこと・次に読みたい本
読書は知識の獲得や理解を促す活動ですが、必ずしも全ての疑問や知りたいことが解決されるわけではありません。そこで、読書ノートにその本を読んだ後の疑問点や知りたいことを書くことで、さらなる学びの機会を作ることができます。
また、次に読みたい本を書くことは、読書計画を立てる手助けになります。読書は無限の選択肢があるため、次にどの本を読むか迷ってしまうこともあるでしょう。読書ノートに次に読みたい本を書き出すことで、自分の読書リストを整理し、優先順位を付けることができます。これによって、読むべき本を選びやすくなり、自分の読書の方向性や興味に沿った本を選ぶことができます。
いつ書けばいい?読書ノートを書くタイミング
読書ノートを書くタイミングは個人の好みや読書スタイルによって異なりますが、ここでは一般的な3つのケースを解説します。
章ごとに書く
読んだ本を章ごとに分けて、各章を読み終えたタイミングで要点や重要な箇所をノートに書き留める方法です。章ごとにまとめることで、本の構成や流れを把握しやすくなります。
読書中に書く
ノートを取りながら読書する方法もあります。この場合、読書中に気になった箇所や重要なポイントをメモしながら進めていきます。必要な内容を漏らさずに書くことができるというメリットがありますが、読書の流れを途切れさせる可能性もあるため、個人の読書スタイルに合わせて適切に使い分けましょう。
読書後にまとめて書く
本を読み終えた後にまとめてノートに書く方法です。小説などを読んだ際には、物語の途中でノートをとると集中力が欠けて十分に楽しめない場合があるため、この方法がおすすめです。
ただし、内容を忘れてしまう可能性もあるため、読み終えた直後や印象が鮮明なうちに書くとよいでしょう。
読書ノートを書くタイミングは、自分自身が効果的だと感じる方法を選ぶことが重要です。読書の目的やスケジュール、個人の集中力や記憶力に合わせて、ベストなタイミングを見つけましょう。
挫折しないで読書ノートを続けるには
読書ノートを続けるためには無理をせず、自分のペースを守ることが重要です。読書の量やペースを自分に合わせて調整し、無理なく継続できるようにしましょう。
本記事では、読書ノートの書き方の6項目をご紹介しましたが、まずはその本の基本情報をメモするだけのところから始めてもよいでしょう。続けられそうな方法やペースを見つけて、ノートを書くことが楽しめるようになることが大切です。
まとめ
本記事では、読書ノートのメリットや書き方について解説しました。読書ノートをつけることで、読んだ本の内容をより深く整理し、重要なポイントや気づきを記録することができます。
皆さんもぜひ読書の時間に読書ノートを活用してみてください。きっと読書体験がより充実したものになるでしょう。