ロジカルシンキングとは?メリットや鍛えるための具体的な方法を紹介!

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物事を論理的に考えることをロジカルシンキングといいます。日常の中でロジカルシンキングを取り入れることで、物事に道筋を立てて結論を導くことができるようになります。そのため、この思考法は仕事や日常生活に大いに役立つ考え方です。

例えば、新しいプロジェクトに取り組むとき、ロジカルシンキングを取り入れれば、プロジェクトの目的や目標、達成に必要なことを明確にすることができます。また、日常生活においても何かに困ったときに明確な理由を導き出し、問題を解決することが可能です。

ロジカルシンキングはビジネスに取り入れることでさまざまなメリットがありますが、言葉自体が抽象的な概念になるため、難しく感じる方もいるのではないでしょうか。また、具体的なメリットやどのように鍛えればいいのか知りたい人もいるでしょう。

今回は、ロジカルシンキングを身に付けたい方のために、ロジカルシンキングの概要やメリット、鍛え方について解説します。興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキングとは、直訳すると論理的思考のことです。問題解決や意思決定において論理的なアプローチを行う能力を意味します。物事に道筋を立てて、明確な理由をつけて結論に導く考え方です。

例えば、「地球は丸いですか?」というテーマがあったとします。それに対して「宇宙から地球を見ると地球は丸く、人工衛星は地球の周りをぐるぐると回っている。このことから地球は丸いと考えることができる。」という回答がロジカルシンキングを取り入れた返答になるといえるでしょう。

ロジカルシンキングは、論理的な結論を導くために、因果関係を考えます。情報や条件を考慮し、それぞれの関連性を理解します。それに基づいて正しい回答や解決策を導くことが論理的な思考です。

基本的には、正確性や論理性をもっとも重要視し、感情や直感的な判断は排除します。データなどの客観的な事実に基づいて分析を行い、合理的な判断や解決策を導き出すのがロジカルシンキングです。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの違い

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、思考法において大きな違いがあります。ロジカルシンキングは、論理の原則や関係性を重視し、一貫性のある思考を追求します。論理的な思考プロセスを通じて情報を分析し、結論を導き出す思考法です。

一方、クリティカルシンキングは、情報の信頼性や妥当性を評価し、意見や主張に対して疑問を投げかける能力のことです。知識や経験則から与えられた情報に対して疑問を持った上で正確性を客観的なデータに基づいて判断していきます。クリティカルシンキングを行うことで、情報をそのまま信じる前に、自分で正しさを確かめることができるので、間違った情報を信じてしまうことが少なくなるでしょう。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは相反するものではなく、お互いに補完し合う関係です。例えば、ロジカルシンキングを用いて情報を分析し、クリティカルシンキングを活用して客観的な判断を下すという使い方が一例になります。

ロジカルシンキングとラテラルシンキングの違い

ロジカルシンキングとラテラルシンキングの違いは、問題を解決する際の視点に大きな違いがあります。ロジカルシンキングは、正確な推論を通じて情報を分析し、結論を導き出す思考法です。そのため、一貫性や合理性をもっとも重視します。

一方、ラテラルシンキングは新しい視点やアイデアを用いて解決策を発見しようとする能力です。簡単にいえば、前例など常識的な視点やアイデアを排除して創造的で柔軟な思考を持って問題を解決します。

ロジカルシンキングは、主に論理的かつ分析的な視点を持って問題解決を導きます。一方、ラテラルシンキングは伝統を排除し創造的な視点を持って問題解決に取り組む能力です。そのため、両者はどのような視点を持って問題解決するのかという点に違いがあります。

ロジカルシンキングがビジネスシーンで求められる理由とは? 

ロジカルシンキングはビジネスシーンで求められる思考法です。具体的な理由として下記の2つを挙げることができます。

問題の複雑化

1つ目の理由は、問題の複雑化です。

ビジネスで取り組む問題は従来に比べて複雑になっています。例えば、ビジネスモデルが多様化し、サブスクリプションモデルなどさまざまな新しい形態のビジネスが登場し、企業は多様なアプローチを考慮しなければなりません。また、規制やコンプライアンスが増加し、その対応に取り組む必要があります。

このようなビジネスにおける複雑な問題は、論理的思考を用いなければ解決することが難しく、ロジカルシンキングを活用すれば問題をよりシンプルに捉えることができるようになります。そのため、ロジカルシンキングは複雑な問題に対して有効な思考法です。

グローバル化

IT技術の進歩に伴い、日本においても世界でビジネス展開する企業は増加しています。

グローバル展開する企業が直面する課題として文化や習慣が一例として挙げられます。それぞれの国で文化や慣習が異なるため、その文化や慣習に触れたことがない場合、相手とのコミュニケーションがスムーズにならない可能性があります。

しかし、ロジカルシンキングを使えば、コミュニケーションを取る際に活用できます。ロジカルシンキングは世界で共通している思考法です。考え方や解決策の導き方は国に関係なく理解できるため、ビジネスシーンで活かすことができます。

ロジカルシンキングのメリット

ロジカルシンキングを取り入れることでさまざまなメリットを獲得することができます。具体的にどのようなメリットがあるのか解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

問題解決力が向上する

1つ目のメリットは、問題解決能力が向上する点です。

ロジカルシンキングを行うことで、問題解決をする際に必要なすべてのプロセスを実行するときに役立ちます。例えば、「問題を特定して原因を追究する」、「解決策を考えて実行する」、「実行した解決策の評価を行う」など、ロジカルシンキングで行うことは問題を解決する際に必要なことであり、ロジカルシンキングを取り入れることでこれらの能力を養うことができるので、結果的に問題解決能力が向上するというわけです。

コミュニケーション能力が向上する

2つ目のメリットは、コミュニケーション能力を高められることです。

ロジカルシンキングは物事を論理的に考えることになるため、コミュニケーションをする際も意見を論理的に構築して具体的な根拠を示すことができます。これにより、話の内容を相手が理解しやすいため、説得力のある意見を述べられるようになるというわけです。

具体的な根拠の例として、プロジェクトの成果に関連するデータや事実が挙げられます。例えば、プロジェクトの実行には追加予算が必要であると主張する際に、予算の必要性をプロジェクトの成果に関連するデータ、事実を引用して予算の正当性を主張します。

話を聞く相手は、なぜ追加予算が必要なのかを理解できるため、説得力のある意見を述べることができ、説得力のある意見=コミュニケーション能力が高いといえるので、ロジカルシンキングはコミュニケーション能力を向上させられるというわけです。

直感の正当性を評価するための仮説を立てられるようになる

3つ目のメリットは、直感の正当性を評価するために必要な仮説を立てられるようになるという点です。

具体的な根拠はないけれど問題を解決する際に直感が働くケースがあります。直感は知識や経験の蓄積、感情、インスピレーションなど内的な感覚から生じる要素です。ビジネスにおいて重要な要素であり、意思決定が迅速になったり、新しいアイデアを生み出せたりします。

しかし、直感を具体的な解決策の中に含めるためには、相手を説得できる要素が必要です。基本的にプロジェクトを実行するときは、チームで行うため、裏付けされていない直感による意見は周囲の理解を得ることができない可能性があります。

そのため、自分の直感に対して正当性を持たせて実行する必要があるのです。このときに、ロジカルシンキングが役立ちます。

ロジカルシンキングを普段から活用していれば、直感が働いたときにロジカルシンキングを用いて仮説を立てることができます。直感の正当性を評価するために分析を行ったり、データ検証を行ったりして、それが正しいか証明することが可能です。直感の裏付けとしてロジカルシンキングを用いることができるので、その点が大きなメリットになります。

提案力が向上する

4つ目のメリットは、提案力が向上するという点です。

提案力を向上させるためには、データを適切に評価し、傾向やパターンを掴むことが重要です。データを分析したり、傾向を掴んだりすることで効果的な提案を行うことができます。

ロジカルシンキングは、データを論理的に分析する能力を成長させるため、データを適切に評価することができたり、傾向やパターンを掴むのがうまくなったりします。そのため、ロジカルシンキングを行うことで提案力向上が期待できるというわけです。

生産性の向上

5つ目のメリットは、生産性の向上です。

生産性を向上させるための要素はさまざまですが、そのひとつにタスクの優先順位付けとタイムマネジメントが挙げられます。

タスクの優先順位付け

タスクの優先順位付けは、その名の通り、自分が取り組まなければならないタスクに対して適切に優先順位を付けることです。タスクの優先順位付けを行うことで、重要なタスクを優先的に取り組むことができるため、時間効率が向上します。これにより、生産性を高めることが可能です。

ロジカルシンキングを取り入れることで、それぞれのタスクに対して優先度や緊急度を適切に評価することができます。これにより、効率的なスケジュールを立てることができるようになるため、ロジカルシンキングを身に付ければ、生産性の向上が大いに期待できるでしょう。

タイムマネジメント

2つ目の要素がタイムマネジメントです。ロジカルシンキングを身に付けると効率的な問題解決や意思決定につなげることができるため時間効率を高めることができます。。

ロジカルシンキングは問題解決と意思決定において合理的な結論を導き出す能力を養うことが可能であるため、今抱えている問題の要素や解決策を分析して最適な行動計画を策定することができます。

論理的な思考による効果的な意思決定は時間とエネルギーの無駄を減らすことができるため、生産性の向上に寄与するといえるでしょう。

ロジカルシンキングにおける情報整理の基本的な考え方

ロジカルシンキングにおける基本的な考え方は、下記の通りです。具体的にそれぞれの基本的な考え方が何を意味するのか解説します。

MECE(ミーシー)

MECEは、Mutually Exclusive, Collectively Exhaustiveの略称で、直訳は「もれなく、ダブりなく」です。ロジカルシンキングの基本的な考え方であり、フレームワークと位置付けられる場合もあります。ロジカルシンキングで物事を解決する際の手法であり、特にビジネスシーンで重要視されています。

問題解決など、何かの物事を考えるとき、正確な答えを導き出すために必要な要素を網羅しなければなりません。一方、それぞれの要素が重複しないようにする考え方も重要になります。MECEを意識すれば、総合的な視点から必要な情報を分類して問題や課題に対して正確にアプローチすることが可能です。一例としては、市場調査を行う際にターゲットを年齢や性別などの要素に分類するなどが挙げられます。

So What?/Why So?

So What?/Why So?は、ロジカルシンキングの基本的な技術です。So What?は「だから何?」、Why So?は「なんでそうするの?」と訳すことができます。

ロジカルシンキングを行う際にSo What?を意識することで、その情報が意味する重要な側面や影響を明確にすることができます。例えば、マーケティングキャンペーン施策でCTRが上昇した際に考えられることとしては、「ユーザーの興味関心が高まっている」、「購買意欲が増加する可能性がある」などの結論を導き出すことができます。So What?を意識することで、根拠と結論のつながりを明確にすることができ、次なる仮説の構築につなげることが可能です。

また、Why So?は「〇〇なのは〇〇だからだ」という結論に対して納得できる要素があるかどうかを確認する作業です。例えば、「売上が伸びたのは新しい製品ラインナップの導入があったからだ」というように問いかけることで、結論と根拠のつながりを確認することができます。

So What?/Why So?はロジカルシンキングの癖を身に付けるために用いられることが多いです。

ロジカルシンキングの具体的な手法とは?

ロジカルシンキングの具体的な手法は、帰納法によるロジカルシンキングと演繹法によるロジカルシンキングが挙げられます。それぞれの手法について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

帰納法によるロジカルシンキング

帰納法は、特定のデータや観測から一般的な結論や原理を導くための手法です。

例えば、Webサイトの1週間のアクセス数を集計し、その中からパターンを特定します。具体的には、月曜日はアクセス数が少なく、逆に土曜日と日曜日はアクセス数が多いというのが一例です。

そして、このWebサイトで発信されている情報のニーズは土曜日と日曜日に高い可能性があると一般化することができます。最後に、それを検証するために、類似の情報を配信しているほかのWebサイトでもこれらの傾向がみられるかどうかを確認します。

このように、具体的な観察データを分析して一般的な結論を導き出すのが帰納法です。

演繹法によるロジカルシンキング

演繹法は、一般的な法則や原理から特定の結論を導き出すための手法です。一般的な前提が与えられてそれをもとに事例や結論を導き出すことができます。

例えば、下記のような前提があるとします。

l   犬は哺乳類である

l   我が家の愛犬クロは犬である

この前提に基づいて演繹法を用いて下記のような新たな結論を出すことができます。

l   愛犬クロは哺乳類である

このように、演繹法は前提に基づいて新しい結論を出すためのロジカルシンキングの手法であり、ビジネスシーンにおいてはもちろんのこと、哲学や数学、科学などさまざまな分野に用いられています。

ロジカルシンキングを鍛える方法とは?

ロジカルシンキングを身に付けることで、さまざまなメリットがあります。しかし、誰でもはじめからそのような考え方ができる人は少ないでしょう。ロジカルシンキングを身に付けるためには、その考え方に慣れるために、鍛える必要があります。具体的にロジカルシンキングを鍛える方法について解説しますので、これから身に付けたいという方はぜひ参考にしてみてください。

論理的に道筋を立てて考える

普段から論理的に道筋を立てて考えることでロジカルシンキングを鍛えることができます。その理由は、論理的に道筋を立てるためには、情報収集や因果関係の把握、結論の検証と改善などロジカルシンキングを行うために必要なスキルが含まれるからです。

例えば、論理的に道筋を立てるためには、問題に関連する情報を収集・整理、可視化した上で論理的に分析をしなければなりません。また、因果関係を理解し、問題が発生した根本的な原因を見つけ出す必要があります。さらに、結論を検証して必要に応じて改善に努めなければなりません。

論理的に道筋を立てて考えるためには、これらのプロセスは必要不可欠であると同時にロジカルシンキングにも求められるスキルです。そのため、論理的に道筋を立てて考えることはロジカルシンキングを鍛えることにつながります。

 

ロジックをシンプルにする

ロジックをシンプルにすることによってロジカルシンキングを鍛えられます。

ロジカルシンキングは情報を整理し、因果関係を把握して論理的なパターンや結論を導き出す能力です。ロジックをシンプルにすることによって複雑な要素を排除することができるため、難しい問題や課題においても明確に分析することができるようになります。シンプルに考えることはロジカルシンキングをする際の助けになるため、日頃から複雑な要素を排除し、よりシンプルに考えることが重要です。

事実をベースに論理を組み立てる

事実をベースに論理を組み立てることで、ロジカルシンキングを鍛えることができます。

その理由は、論理的な推論の訓練を行うことができるからです。事実をベースに論理を組み立てるためには、与えられた事実や条件をもとに新たな情報や結論を導き出すための論理的なプロセスを踏まなければなりません。この過程で論理的な思考プロセスや因果関係の理解を深めることができるので、ロジカルシンキングを鍛えられます。

また、誤った推論を回避することができる点も鍛えられる理由のひとつです。事実を正確に把握し論理的に結論を導くことで、主観的な判断や固定観念を排除することができるため、客観的な論理的思考を身に付けることが可能です。ロジカルシンキングにおいて客観的な論理的思考は必要不可欠なため、結果的にロジカルシンキングを鍛えられます。

目的を意識する

ロジカルシンキングを行うときは、目的を意識することが重要です。

例えば、目的を明確にすることで、どのような問題を解決しようとしているのかが理解できます。これにより、問題解決に必要なロジカルシンキングの方向性が定まるので、重要な要素に焦点を当てて、問題解決のための結論を導くことが可能です。

そのほかにも目的を意識することで、論理的な手順で問題を解決できたり、論理的な優先順位を設定できたりするため、効率的なロジカルシンキングを実現するだけでなく、身に付ける際にもこれを意識することで論理的思考が鍛えられます。

まとめ

今回は、ロジカルシンキングの概要やメリット、具体的に鍛える方法について詳しく解説しました。ロジカルシンキングを身に付けることで、コミュニケーション能力や問題解決能力の向上などさまざまなメリットを獲得することができます。社会人にとって必要不可欠なものになるため、社会人としての対応力を高めたいという方は身に付けるのがおすすめです。

また、社会人にとって大切な思考法としてコンセプチュアルスキルがあります。コンセプチュアルスキルに関しても身に付ければ、問題解決能力などが向上しますので、興味がある方は、下記のリンクにアクセスして詳細をご確認ください。