キャリアアップとは?スキルアップとの違いやスキルアップを成功させるポイントもあわせて解説!

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キャリアアップと聞くものの、具体的には何がキャリアアップにつながるか認識できているでしょうか?キャリアとは仕事上の経験のことですので、キャリアアップとは仕事での経験を高めていくことと理解できます。

この記事では、キャリアアップの基礎的理解を紹介したうえで、スキルアップとの違いやキャリアアップの仕方、転職してキャリアアップするメリットとデメリットなどを解説していきます。

どうすればキャリアアップになるのか、イメージが持てていない方はぜひこの記事を読んで参考にしてみてください。

キャリアアップとは何か?

キャリアアップとは、より高い能力を身につけて自身の仕事での経歴を高めることです。ただキャリアアップにはさまざまな形がありますが、例えば次のような例が挙げられます。

■キャリアアップのさまざまな形

  • 昇進する/役職につく
  • 仕事の規模が大きくなる
  • そのときどき必要なスキルを身につける
  • 裁量が大きい仕事に就く

これらのイメージを踏まえながら、キャリアアップの正体を明らかにしていきます。

ビジネス上の「上」とは何か

「仕事に貴賤はない」といいますが、しかしリアルなビジネスの世界では、仕事に上下があり、差別も区別もあり、やりたい仕事とやりたくない仕事があります。

ではビジネスの「上」とはなんなのか。アルバイトからみた正社員、平社員からみた管理職、管理職からみた経営陣、プレイヤーからみたマネージャー、労働者からみた経営者は組織上の「上」といえるでしょう。

この考え方には異論があると思います。例えば自由な働き方を求めている人は、好んでアルバイトをしていて、社員になりたいと思っていないかもしれません。このアルバイトは社員を「上」にみていないでしょう。また管理職になりたくない正社員も、課長や部長を「上」とはみなさないかもしれません。

しかし、先ほど示した「上」の人たちは「下」の人たちより収入が多く、裁量権が大きく、使う人(部下)が増え、業務の難易度が上がります。仕事のやりがいも増えるでしょうし、社会貢献している実感も強まるでしょう。

そして何よりキャリアアップという言葉には「アップ=上へ」が含まれています。したがってキャリアアップを考えるときは、「下」から「上」を目指す姿勢が必要になります。

キャリアアップは「上」に行くためのチケット

キャリアアップが必要になるのは、「上」を目指している人全員が「上」に到達できるわけではないからです。

例えば社長が1億円のプロジェクトを計画したとします。プロジェクトチームのリーダーは1人ですので、社長は「上」を目指している複数の社員のなかからリーダーにふさわしい人を1人選んで任命します。 

このとき、リーダーに選ばれた人は「しっかりキャリアアップしてきた」と評価され、落選したリーダー候補たちは残念ながら「キャリアアップが足りなかった」と評価されています。

つまりキャリアアップは「上」に行くためのチケットのようなものといえます。

キャリアの種類は、経験、仕事、役職、スキル、資格

冒頭でキャリアとは仕事上の経験である、と紹介しましたがそのほかにも、仕事そのもの、役職、スキル、資格もキャリアになりえます。

したがってキャリアアップとは、経験値を上げること、新しい仕事に携わること、裁量権のある仕事を任されること、上の役職に就くこと、スキルアップすること、資格を取ること、と理解できます

このうち1つでもアップできたらキャリアアップと呼べますが、そうではなく、すべての項目でアップを目指す総合的なキャリアアップもあります。 

より高い「上」を目指すのであれば総合的なキャリアアップが必要になります。なぜなら「上」に行くほど選考基準が厳しくなるからです。

小さな部署の責任者であれば数年程度の経験があれば就くことができても、社運をかけたビッグプロジェクトのリーダーには、経験年数だけでなく仕事の遂行能力や役職に就いていることも求められるはずです。

スキルアップとの違いと関係

キャリアアップとスキルアップは似ているところもありますが、異なる概念です。

結論を先に紹介すると、両者は次の関係にあります。

■キャリアアップとスキルアップの関係

  • スキルアップとはキャリアアップの一要素である
  • スキルアップしないと原則キャリアアップできない
  • スキルアップせずにキャリアアップすることもあるが、リスクがある

それでは、1つずつ確認していきます。

より仕事ができるようになる点では同じ

キャリアアップとスキルアップの似ているところは、どちらもより仕事ができるようになることです。

仕事ができるようになるとキャリアアップになり、仕事をするにはスキルアップが必要になります。

「さまざまな要素をアップさせる」と「スキルだけをアップさせる」の違いがある

スキルアップはキャリアアップの一要素です。

つまりキャリアアップはさまざまな要素を向上させることであり、スキルアップはスキルにフォーカスして向上させること、ということです。

先ほどご紹介したとおり、経験値を上げること、新しい仕事に携わること、裁量権のある仕事を任されること、上の役職に就くこと、スキルアップすること、資格を取ることはすべてキャリアアップにつながります。

しかしスキルアップの対象はスキルだけです。

スキルアップしないと原則キャリアアップできない

キャリアは自分で上げる(アップさせる)ものですが、キャリアアップのうち、より上の役職やより大きな裁量権は経営者や上司から与えられます。一般的に経営者や上司は、スキルを高めていない従業員に上の役職や大きな裁量権を与えることはないでしょう。

なぜなら上の役職に就くと難しいプロジェクトや大きな予算がつく仕事を任されることになり、スキルがないと失敗する確率が上がるからです。

キャリアアップを目指している人は、スキルアップは最低条件と考えておいたほうがよいでしょう。

スキルアップせずにキャリアアップすることもあるがリスクがある

スキルアップせずにキャリアアップしている人もいます。運がよかったり、コネがあったり、たまたま勢いのある派閥のなかにいたりすると、スキルアップなしのキャリアアップが可能です。

しかし、そうやってキャリアアップをしても、自身の力が見合っていなければ、いつか必ずつらい状況に陥るはずです。なぜならキャリアアップすると裁量権が大きな仕事を任されることが増えてくるので、それをこなすだけの高度なスキルが必要になるからです。

あえて極端な例を挙げると、営業部長が役員に出世して大きな人事権を獲得したとします。そしてこの新役員が強力な人事権を使って、自分の派閥の一員である営業課長を経理部長に昇格させてしまいました。

しかし当然ですが、この元営業課長には経理の仕事をした経験がないので、経理部長に就任したのに決算書もつくれないといった事態が起こります。

これでは部下である経理課長も経理係長も経理担当者も、上司の経理部長を信頼することも敬うこともできません。したがってこの営業出身の経理部長は組織をまとめられなくなります。

これがスキルアップなきキャリアアップの悲劇です。

キャリアアップの場所は社内か社外(転職)か

それでは、どのような形でキャリアアップするべきでしょうか。

もちろん社内でキャリアアップしていくことが順当なのですが、それが難しいケースもあります。その場合には会社の外に出て、つまり転職してキャリアアップすることもできます。

ここでは、社内キャリアアップと転職キャリアアップのメリットとデメリットを考えてみます。

社内キャリアアップのメリットとデメリット

まずは社内でキャリアアップするケースを考えてみましょう。メリットとデメリットは次のとおりです。

メリットデメリット
スムーズにキャリアアップできる「上」がつかえているとアップできない
キャリアアップの段取りが明確年功序列が残っている企業だと段取りを踏むことでしかアップできない

メリットですが、会社がキャリアパスを用意していれば、それに合わせて仕事をしていけば無理なくスムーズにキャリアアップすることができます。

キャリアパスとは指針のようなもので、キャリアを上げるための要件を示したものです。キャリアパスの書き方は企業によって、職種によって異なりますが、例えば「課長職の条件:経験7年以上、○○資格を保有、1,000万円以上のプロジェクトのリーダーを経験しているかそれと同等の経験」といった条件が挙げられます。

そして社内でキャリアアップする場合には、先輩社員のキャリアアップを参考にすることができます。例えば社員の誰もが「あの人は、あの経験を積んであの業務に携わって部長になった」といったことを知っています。したがって従業員たちは、それと同等のキャリアを積んでいけば部長になれそうだ、と見通すことができます。

デメリットですが、年功序列的な風土が残っている会社では、すでに「上」の役職が埋まっていて、さらに次の役職候補も内定していることがあります。

また、キャリアパスが明確になっている会社では、キャリアパスに書かれてある段取りを踏むことでしかキャリアアップできないことがあります。

例えば、過去最高額の契約を取ったハイパフォーマー営業課長がいたとしても、コミュニケーション力があって人望が厚くリーダーシップを発揮できる総務課長がいたとしても、部長向けキャリアパスで定めた年次が足りないという理由だけで部長に昇格できないかもしれません。

転職でキャリアアップを果たすメリットとデメリット

転職によって今の位置より高いポジションに就くことができれば、それだけでキャリアアップになります。転職によるキャリアアップのメリットとデメリットは次のとおりです。

メリットデメリット
実力次第でマネージャークラスへの転職が可能結果をシビアに要求される
給与の大幅アップも期待できるチームづくりに苦労する

メリットですが、転職なら、前職で課長の人が転職先では部長に就任することも目指せるでしょう。部長職の求人をだしている企業がに応募して、採用されれば部長職に就くことができます。前職で課長だった人が転職先企業で執行役員になれば、2段飛びや3段飛びになります。

それにともない給与も大幅にアップするはずです。

デメリットは、結果をシビアに要求されることです。転職希望先の採用面接では「この業務をこなしてくれるのであれば部長の椅子を用意して、給与はこれだけ支払います」と提示されるでしょう。その会社に入るには「できます」と答えるしかありません。

そして転職先に入社して仕事を始めたところ、その仕事をこなせないことがわかったら、さすがに解雇されることはなないと思いますが、しかし降格は免れないでしょう。

そして転職先でいきなりかなり「上」のポジションに就くことになると、部下の人数もそれなりの数になります。ところが部下は全員知らないメンバーであり、部下たちもいきなり上司になった人がどんな考え方なのか、どんな仕事の進め方をするのかなどを知りません。

部下のなかには、自分がそのポジションに就くはずだったのに、と思っている人がいるかもしれません。そのような人が、いきなり上司になった人に従順にしたがうことは考えづらいでしょう。

転職すれば必ず1から人間関係をつくっていかなければなりませんが、転職してすぐに「上」の役職に就くと、見ず知らずの部下たちをマネジメントしながら人間関係を構築するという難しい仕事をこなしていかなければなりません。

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キャリアアップを成功させるコツ

キャリアアップを成功させるコツとして、次の4つを紹介します。

■キャリアアップを成功させる4つのコツ

  • 自発的に行動する
  • キャリアプラン、キャリアパスをつくる
  • ゴールを設定する
  • 積極的にスキルアップや資格の取得に取り組む

1つずつ解説します。

自発的に行動する

仮に会社でキャリアパスが用意されていたとしても、キャリアアップは自発的に取り組む意識が必要です。キャリアパスに書かれてある要件は最低限クリアすることとしてとらえ、会社や経営者や上司が求めるキャリアより充実したキャリアを積み重ねていくように行動しましょう。

確かに役職や裁量権は経営者や上司から与えられるものです。しかしキャリアアップは誰かに上げてもらって成し遂げるものではなく、自分の手で「上」をつかみとるもの 、と考えることがキャリアアップの近道になるはずです。

キャリアプラン、キャリアパスをつくる

会社によってはキャリアプランやキャリアパスをつくっていないところもあります。その場合は自分でキャリアパスなどを考えてみてください。

「○歳までに課長になって、それまでに□の経験を積む」「○歳までに部長になって、それまでに□の経験を積む」「○歳までに執行役員になって、それまでに□の経験を積む」といったように書いていきます。

自分なりにキャリアパスをつくったら、上司や経営者にみてもらってもよいでしょう。そうすることで「□の経験だけでは部長になることはできない、△の経験も必要だ」といったアドバイスをもらうことができます。

また上司や経営者は、その人がキャリアアップを望んでいることを認識することができます。そうなれば、「部長を狙っているなら△の経験は必要だから、この仕事を任せてみよう」と考えてくれるかもしれません。

ゴールを設定する

究極のキャリアアップは経営者になることです。しかし全員が社長を目指す必要はなく、また、例えば入社3年目の人が経営者に到着するキャリアプランをつくっても現実味が薄いものになってしまいます。

そのためキャリアアップを考えたら、現在考えうるゴールを設定したうえでキャリアプランをつくっていったほうがよいでしょう。入社3年目の人なら、課長になるまでのキャリアアップを検討すれば、地に足が着いた着実なキャリアプランをつくることができます。

「どうしても経営者になりたい」と考えている方は、長期プランと短期プランの2つのキャリアプランをつくってみてください。

積極的にスキルアップや資格の取得に取り組む

高度なスキルや難しい資格を持っていると、「自分はそのキャリアに相応しい人材です」と主張したときのエビデンス(根拠、証拠)になります。「私にはこのスキルとこの資格があるので、そのビッグプロジェクトの陣頭指揮を執ることができます」とプレゼンすれば説得力があります。

そして、キャリアアップを目指すと公言している人が、スキル獲得のための努力や資格試験のための勉強をしていなければ、経営者や上司や周囲から言行不一致と思われてしまいます。

キャリアアップを目指す以上、スキルと資格は積極的に獲りにいくようにしたいものです。

大きな仕事をしたいのならキャリアアップは必須

この記事の内容を箇条書きでまとめます。

  • キャリアアップとは「上」を目指し、そのために必要な取り組みをすること
  • キャリアアップのキャリアには経験、仕事、役職、スキル、資格があり、それらを高めていく必要がある
  • スキルアップなきキャリアアップはリスキー
  • キャリアアップの場所は、社内と社外(転職)がありどちらも一長一短
  • キャリアアップを成功させるためには自発的に動こう

現代社会には「上」を目指すだけが人生ではないという雰囲気もありますが、その一方で貪欲に「上」を目指して、大きな裁量権を握って大きな仕事を進めていくことの魅力も依然として存在しています。

大きな仕事をしたいのであれば、キャリアアップは必須ですので、意識的に自身のキャリアアップを目指していきましょう。