自己肯定感は仕事や人生を豊かにするための大切な要素のひとつです。あなたはこんな思いをしたことがないでしょうか?
- 失敗したときのことを考えると、なかなか行動に移せない
- 積極的な行動ができず、なにをするにも長続きしない
- 他人と自分を比較して、自分はダメだと自己嫌悪に陥ってしまう
これらに心当たりがあれば、自己肯定感の低さが原因である可能性が高いと考えられますが、自己肯定感は生まれつきのものではなく、これまでの環境によることが多く、誰でも後から手に入れることができます。
この記事では、自己肯定感が低い人の特徴や原因、また高い人の特徴を挙げ、解決策をわかりやすく解説していきます。
- 自己肯定感とは?
- 自己肯定感が高い人に共通する「5つの特徴」
- 自己肯定感が低い人に共通する「4つの特徴」
- 自己肯定感レベル確認チェックシート
- 自己肯定感レベルの確認方法
- 診断結果の原因と改善法
- ①自分がどう思うか、どう感じているかわからないことが多い
- ②特定のできごとに対する不安感が常にあり、不安や恐怖心が頭から離れない
- ③自分を無意識のうちに否定し、ダメ出しすることが多く、息苦しさを感じる
- ④身近な人に振り回されたり、巻き込まれることが多いと感じる
- ⑤何もしていなくても辛さ、苦しさを感じる
- ⑥自分の希望よりも、他人の希望を優先することが多く、頼みごとを断れない
- ⑦他人に求めるレベルが高く、思うように動いてくれないとイライラする
- ⑧人からどう思われるかが気になり、職場や学校に行くのが辛い
- ⑨人前では無意識に明るく振舞うが、1人になると疲れることが多い
- ⑩人に尽くすことが好きだが、束縛しないで欲しいと言われる
- ⑪恋人や配偶者に頼りすぎて「重い」と言われる(思われていると感じる)
- ⑫恋愛でいつも同じような理由で別れる(仕事をいつも同じような理由で辞める)
- 自己肯定感を高める「5つの方法」
- まとめ
自己肯定感とは?
自己肯定感とは「自分の存在そのものを認める感覚」のことです。人と比べて自己評価するのではなく、ありのままの自分をかけがえのない存在として認めて、自身を尊重する「こころ」の感覚です。自己肯定感が高ければ、あなたが前進していくための原動力となる、大切なものです。
自己肯定感と自尊心
自己肯定感とよく似た言葉に「自尊心」があります。自尊心とは自分の存在そのものが他者から受け入れられ、肯定して欲しいという願望や感覚のことです。自分の考えや言動に自信を持ち、他人からの干渉を排除するもので、他人との比較に関わるものではないことが特徴です。
自己肯定感と自尊心はどちらも自分のことを肯定・尊重して前向きに受け入れる言葉ですが、自尊心は能力や魅力などの理由や根拠があって自分を受け入れる意味で使用されるのに対し、自己肯定感は理由や根拠がなくても自分自身を受け入れるという意味ですので、似て非なるものとして理解することが必要です。
自己肯定感と自己効用感
もうひとつ自己肯定感と似た言葉に「自己効用感」があります。自己効用感とは、目標を達成するための能力を自ら持っていると認識することを言います。
自尊心とも共通するものとして、理由や根拠があって自分には目標を達成する能力があると信じ、自分を認める状態、感覚を言います。
どれも似た感覚ですが、自尊心と自己効用感が近い意味を持っていることが分かります。
自己肯定感が仕事や人生に与える影響
自己肯定感が高い人はメンタルの状態が安定していて、自分の意見をはっきりと言うことができ、健全な人間関係を築くことができます。失敗に対してもめげずに何度も挑戦を重ねて成長できるため、仕事の充実や人生を力強く歩むパワーに溢れます。
つまり、自己肯定感の高さは幸福感を得られるかどうかに直接つながる大切な要素です。
それに対し、自己肯定感が低い人はメンタルの状態が不安定であることが多く、なにか挑戦する前から「自分にはできない」と諦めてしまったり、自分自身のこともなかなか決められないなど、ネガティブな感情に支配されている状態ですので、自己肯定感が低いと仕事や人生に幸福感や充実感を得ることが難しくなります。
仕事面に注目してみると、自己肯定感が高い人は、仕事で活躍しやすい傾向にあります。その理由は自分の能力や働き方、長所に絶対的な自信を持っていることや、短所について悩むことなく、短所を埋め合わせるために他人の力を積極的に借りるからです。
自己肯定感が低い人は自分に自信がなく他人に力を借りることが難しいので、仕事の成果やパフォーマンスに大きな差が生まれてしまいます。
自己肯定感が高い人に共通する「5つの特徴」
まずはじめに、自己肯定感が高い人に見られる特徴を解説していきます。
特徴①主体的な行動ができる
ありのままの自分の価値を認め、短所ではなく長所に焦点をあてるので、他人からの評価を気にしたり、振り回されたりすることなく、仕事でもプライベートでも自ら積極的に行動しようとします。
また、他者に対しても相手の長所へ目を向ける傾向があり、相手の意見や考えを素直に受け入れることができます。
特徴②他人を思いやり良好な関係を築ける
自分をありのままのかけがえのない存在と認めることができるので、他人に対しても同じように存在を尊重し認めることができます。そのため他人に対して寛容になれます。
仕事でもプライベートでも相手の状況を見て寄り添うことができ、コミュニケーション能力も高いので、良好な人間関係が築けます。
特徴③肯定的にものごとを捉えられる
自己肯定感が高い人は感情のコントロールが上手です。それは楽しさなどのポジティブ感情だけでなく、悲しみや悔しさなどのネガティブ感情も受け入れることができるからです。
またものごとを肯定的に捉えることで思考や発言も自然に前向きになります。
特徴④失敗を恐れない
楽観的な傾向であるため、困難な局面に対しても「なんとかなるだろう」「きっと大丈夫だ」という感情を持っているので、失敗を恐れて行動できないということがほとんどありません。
失敗に対しても楽観的に捉えられるので、「また次がんばろう」と気持ちの切り替えが早く、自身の行動や意思決定に自信があるので、責任を他人に求めることをしません。
特徴⑤継続的な努力ができる
常に意欲的で前向きな感情を持っているため、夢や目標に向かって努力し実現するまで諦めない傾向があります。
「失敗するのが怖い」という思考がないので、もし目標が達成できなかったとしても、また次頑張って達成を目指すという安心感とポジティブなマインドを持ち、苦手なことでも意欲的に努力を継続できます。
自己肯定感が低い人に共通する「4つの特徴」
次に、自己肯定感が低い人に共通する特徴を解説していきます。
特徴①他者と比較する傾向がある
自分が成長するために目標となる人を見つけることは良いことと言えますが、目標となる人と自分を比較して「自分は劣っている」「なぜあの人にできて自分にはできないのか」など過剰な比較で自己嫌悪の負のサイクルに巻き込まれます。
ここで生まれる感情は嫉妬や劣等感なので、その感情に苦しめられ精神的に不安定な状態になりやすいです。
特徴②承認欲求が強い
常に自分に自信がない状態なので、自分に価値があることを他人に認められたい、評価されたいという気持ちを持っています。悪いケースでは他人からの評価を得るために、過去に成功した自慢話を繰り返したり、ウソをついたりしてまで承認されようとします。
あくまで傾向の話ですが、高級ブランドや高価なものをたくさん買ったり、持つことで安心感や幸福感を得たいと思う人は、自己肯定感が低い可能性があります。
特徴③トラウマがある
トラウマは環境に大きく依存します。育ってきた環境の中で次のような経験をした人はトラウマを持ちやすい傾向にあります。
・他人から褒められたことがない
・大きな挫折や失敗を経験している
・兄弟と常に比較されてきた
・いつも親から怒られていた
このような失敗経験、ネガティブ感情によって自尊心を傷つけられたことが原因で自己肯定感を高く持てないという人は、決して少なくありません。
ただ、自己肯定感は今からでも高めることができるので、悲観的にならないでください。
特徴④他者依存が強い
自分に自信が持てないので、意思決定ができず主体性に欠けることが特徴です。そのため他人に依存する行動を取るようになります。
自分で意思決定しなければならない場面では、他人からの評価を気にするあまりに主体性のある決定ではなく「他人に否定されない」選択肢を選ぶ傾向にあります。
自己肯定感レベル確認チェックシート
あなたの自己肯定感が現状高いのか低いのか、チェックシートで確認してみましょう。
制限時間は1分ほどで、質問の内容を深く考え込まずに直感で答えてください。
質問に対して該当するものにチェックを入れるだけの簡単な作業です。
自己肯定感レベル確認チェックリスト12問
※( )のなかに文章がある場合、どちらかに当てはまったらチェックしてください。
□自分がどう思うか、どう感じているかわからないことが多い
□特定のできごとに対する不安感が常にあり、不安や恐怖心が頭から離れない
□自分を無意識のうちに否定し、ダメ出しすることが多く、息苦しさを感じる
□身近な人に振り回されたり、巻き込まれることが多いと感じる
□何もしていなくても辛さ、苦しさを感じる
□自分の希望よりも、他人の希望を優先することが多く、頼みごとを断れない
□他人に求めるレベルが高く、思うように動いてくれないとイライラする
□人からどう思われるかが気になり、職場や学校に行くのが辛い
□人前では無意識に明るく振舞うが、1人になると疲れることが多い
□人に尽くすことが好きだが、束縛しないで欲しいと言われる
□恋人や配偶者に頼りすぎて「重い」と言われる(思われていると感じる)
□恋愛でいつも同じような理由で別れる(仕事をいつも同じような理由で辞める)
お疲れ様でした。次項で診断結果を解説します。
自己肯定感レベルの確認方法
診断結果は、チェックした数が多いほど「自己肯定感が低い」です。
①チェック数0/自己肯定感が高い
あなたの自己肯定感は高く、ストレスにも強いです。生活するうえで生きづらさを感じることがほとんどないので、自己肯定感という言葉自体を気にしなくていいレベルです。
②チェック数1個~3個/自己肯定感がノーマル
あなたの自己肯定感はそれほど低いものではありません。
日常で若干の生きづらさやストレスを感じる場面があるかもしれませんが、年を重ねるごとに自己解決していくことが多いです。
③チェック数3個~5個/自己肯定感がやや低め
生活のなかで自分の本音を抑えることが多かったり、自分を否定する機会が多い傾向にあるので、ストレスを感じやすいです。
人より傷つきやすい分、傷ついた人の気持ちに寄り添えることは強みと言えますが、後述する改善策をクリアするごとに、生きやすさがアップしていくでしょう。
④チェック数6個~12個/自己肯定感が低い
常にストレスを強く感じ、かなり生きづらい、疲れやすい状態です。疲れを感じたときはまず休みましょう。しっかり睡眠をとり、食事を摂れば気力や体力が回復し、楽になります。
このままの状態で生きていくことはもちろん可能ですが、常にしんどさが付きまといます。
次項で解説する各項目ごとの根拠と対処法を確認し実践することで次第に生きやすさを感じられるようになっていきます。チェックした項目がひとつでも減るよう対処しましょう。
診断結果の原因と改善法
①自分がどう思うか、どう感じているかわからないことが多い
自己肯定感とはそもそも自分のさまざまな状態を許容できる感覚です。自己肯定感が低くなる原因は家庭環境、職場環境などに依存することが多く、辛い思いをすると無意識のうちに自分を守るために感覚を止めてしまうことがあります。
そのような時は、環境を変える、失敗を否定しない、自分の思いを大切にするなど、少しずつ意識するようにしましょう。
②特定のできごとに対する不安感が常にあり、不安や恐怖心が頭から離れない
不安や恐怖の感覚は、人間に備わった防衛本能ですので完全になくすことはできません。
もちろん個人差があるので、不安や恐怖感が強いと自覚している場合はそれらを感じなくする努力をするのではなく、当たり前にあるものだと理解し「ありのままを受け入れる」ことが効果的です。
③自分を無意識のうちに否定し、ダメ出しすることが多く、息苦しさを感じる
この質問は育ってきた環境による影響が大きいです。親が子供を認める、褒める機会が少ないと、自分を認めてはいけないという感覚を無意識のうちに持つようになります。特に虐待された経験があると「自分の存在自体を認められない」状態になってしまいます。
自己否定してしまう人の多くは、環境によるものだと自覚していないケースがほとんどなので、一度過去を振り返って自分の環境に気付くことが改善へのスタートラインに立つために必要です。
④身近な人に振り回されたり、巻き込まれることが多いと感じる
人に振り回されてしまうタイプの人は、無意識に他人に合わせていたり、人からの評価を気にしている傾向が強い人です。そのような人は「自分がどうしたいのか」「本当はどう思っているのか」を普段の生活から意識するようにしましょう。
直接的な対処法として、自分ができることとできないことを認め、相手がどう思うかより、自分がどう思うかを大切にすることが効果的です。
⑤何もしていなくても辛さ、苦しさを感じる
自己肯定感が低く、自己否定が強い傾向の人は、無意識に自分に対してダメ出ししてしまう(否定してしまう)結果になる傾向が強いです。常に持っている感覚は「今の自分は全然ダメだ」ということが多く、辛さや苦しさを感じます。
他の項目にもありましたが、「今のあなたを否定しているのはあなた自身」だけです。ありのままの自分を受け入れる意識を持つだけでも改善につながります。
⑥自分の希望よりも、他人の希望を優先することが多く、頼みごとを断れない
この原因も育ってきた環境に依存します。褒められたり認められた経験がない、もしくは少ないと「人の役に立ちたい」という意識を強く持ち「役に立たない自分に価値がない」と自己否定します。
この状態を改善するには「自分のやりたいことを優先する」意識を持つことや「他人に認められなくても、自分が自分を認めればそれでいい」という思考に切り替えてみましょう。
⑦他人に求めるレベルが高く、思うように動いてくれないとイライラする
自己肯定感が低い人の特徴に「完璧主義」があります。完璧主義を否定しませんが、そもそも「物事を完璧にできる人」なんていません。他人がよく見えても必ず欠点はあります。
完璧主義の人は「0か100か」という極端な思考を持っていたり、自分ができないことに目を向けがちです。完璧であることが生きるために必ず必要なのか、一度自分自身に聞いてみてください。
⑧人からどう思われるかが気になり、職場や学校に行くのが辛い
この項目も育ってきた環境に依存します。誰でもある程度他人からの評価を気にするのもですが、自己肯定感が低い人は「親の顔色を伺って育ってきた」ことが多いので、大人になってもその癖が抜けずにいます。
「他人からの評価は自分でコントロールできない」という大前提を持ち、自分の評価は自分だけができるものと再認識しましょう。
⑨人前では無意識に明るく振舞うが、1人になると疲れることが多い
実はこの特徴は長男や長女が持っている傾向が強く、「自分はしっかりしてなければいけない」という思考パターンが影響していることが多く、他人に甘えてはいけないと考えてしまいがちです。
「しっかりしていなければいけない」という価値観を持っているのはあなた自身です。ここでは「しっかりしなくていい」と極端に考えるのではなく「しっかりしていた方がいい」くらいに気持ちを緩めることからはじめてみましょう。
⑩人に尽くすことが好きだが、束縛しないで欲しいと言われる
役に立ちたいという思いから、困っている人を助けたり、世話を焼くことで「評価という見返り」を求めてしまう傾向があります。
この場合、人との関わり方が大切になるので、あなたを受け入れてくれる人との関わりを持つように行動し、自分の思い、気持ちを表現し、自己主張できる環境を作りましょう。また、ひとりで過ごす時間を増やすことも効果的です。
⑪恋人や配偶者に頼りすぎて「重い」と言われる(思われていると感じる)
この場合「相手の役に立ちたい」という気持ちより「相手の役に立たなければいけない」という少し強迫的な思考です。役に立たなければ評価されない(愛されない)という思いが強く「役に立つことに依存している状態(重いと思われる状態)」です。
依存状態から抜け出せない人の多くは、ものごとを自分で決められない傾向があるので、どんな些細なことからでもいいので、自分で意思決定する回数を意識的に増やしてみてください。回数が増えることによって心理的に自立状態につながっていきます。
⑫恋愛でいつも同じような理由で別れる(仕事をいつも同じような理由で辞める)
言い換えると「同じようなことで失敗を繰り返している状態」で自己否定の根強い原因です。この思考パターンは「〇〇しなければならない」というものです。
完璧主義に近いものがありますが、そのように思っているのはあなただけであり、本来必要ではない価値観です。ここでは思考を「○○したほうがいい」というように緩めることからはじめましょう。
自己肯定感を高める「5つの方法」
ここまでの解説で、自己肯定感が仕事や人生に及ぼす影響についてご理解いただけたと思います。ここからは自己肯定感を高めるために、具体的に日常からどのようなことを意識すべきなのか解説していきます。
①抱えている不安を書き出し客観的に評価する
まずはじめに、「今あなたが抱えている不安」や「自信がないと自覚していること」を書き出しましょう。頭で考えるのではなく、書き出して文字にすることで客観視することができるようになります。
自己肯定感が低いことで悩んでいた場合、文字を読むと自分を過小評価している点が浮かび上がり、現実的に自分自身を見つめ直すことができます。また不安に向き合うことで、自分を認めるきっかけになることがあります。
前向きに捉えられるようになることがメリットであり、不安や悩みを定期的に書き出すことによって、過去の自分より今の自分の方が成長してると知ることができたり、努力した結果を客観視することで自分を認めることができます。
逆に、書き出した不安や悩みが以前と変わらなかった場合でも「解決に向けて努力している自分」を知ることができるので、ポジティブな思考を手に入れるきっかけになります。
②小さな成功体験を積む
まず、どんな小さなことでもいいので、ハードルの低い目標を設定しましょう。はじめから大きな目標を立てると挫折して自己嫌悪に陥ってしまうので、できるだけハードルを低くしてください。
例えば、苦手なことを1日1つやってみる、見返りを求めず人のためになる行動を取ってみるといったようなことがあげられます。
小さな目標を達成することで、一つひとつの成功が自信に変わっていきます。ひとつクリアしたら次の目標に対して前向きに行動し、目標を上げていくことができるようになります。
③自分を肯定的に受け入れ支援してくれる環境を作る
新しいことにチャレンジするときは、不安や恐れなどのストレスがかかります。ここであなたを支援してくれる人の存在や環境を作ることが大事になります。自己肯定感が低い人はサポートを受けることに拒否反応を示す特徴がありますが、これも相手と自分を信じられるようになる訓練のひとつです。
自分のいいところを自分で認められないケースが多い場合、第三者の目から客観的、肯定的に接してくれる人の存在は自己肯定感を高める大切な要素になります。
④完璧主義を捨てる
人として、社会人として成長したいという意欲は大切ですが、過度に完璧を追求すると今の自分を否定してしまうことになりかねません。これではまったく逆効果です。
前述しましたが、完璧な人間なんていません。自己肯定感が高い人は完璧なのではなく「完璧になんてなれない」「完璧である必要がない」という思考パターンなので、できないことはできないと割り切ることができます。
自分の短所に目を向けるのではなく、長所をさらに伸ばすために何が必要か、どう行動するべきなのか考えていく習慣を身につけていきましょう。
⑤フレーミングを利用する(思い込みを捨てる)
フレーミングとは「できごとの枠組み(フレーム)を変えること」です。フレーミングには2種類あり、ひとつめは「置かれている状況」次に「内面の状況 」です。
ます「置かれて状況」では、「ケガをしてしまった」という状況は練習ができないので成長が止まってしまうと考えるのではなく、「自分自身と向き合う時間が増える」といった捉え方や、「挑戦して失敗した」という状況はマイナスではなく「よい経験を積むことができた」というように、これまでの考え方や起こったできごとについて捉え方をかえることです。
「内面の状況」はあなたの「性格」「悩み」「経験」などの内面に関する感じ方の枠組みを見直すことです。
「心配性」という短所は裏を返せば「未来を見据えられる能力がある」ということや、「試験で低い点数を取った」場合にはダメな自分ではなく「苦手分野を発見できた」という前向きな捉え方をするように変えることです。
もちろんすぐに考え方を変えることはできませんが、焦らず少しずつ思考の枠組みを変えてみることも自己肯定感を高める効果があります。
まとめ
以上、自己肯定感について詳しく解説してきました。
仕事のみならず人生においても自己肯定感が高いということは、毎日を充実させ、人生そのものを豊かにするといった効果が期待できます。
しかし、無理にいますぐ変えてみようというのも長く続かず挫折を味わう可能性が高まるので、まずやるべきは「今の自分を客観的に正しく見る」ことが重要です。自分で客観的に見ることが難しければ第三者に直接聞いてみるのもいいでしょう。
「長所があれば短所もある」というのが人間です。短所がない人なんていません。大切なのは自分の長所と短所を認め、それを拒否せずに受け止めることです。
人は簡単に変われませんし、他人があなたを変えてくれるわけでもありません。時間がかかったとしても、自分は自分のままでいいと肯定的に受け止めることを繰り返し、長期的に自己肯定感を高め、充実したビジネスライフや人生を満喫してください。