最近では、SkypeやMicrosoft Teamsなどのツールが普及したため、固定電話などでの電話応対をする機会が減ってきており、どのように応対すればいいか分からない、苦手だ…感じている人もいるのではないでしょうか?
この記事では、ビジネスシーンでの基本的な電話応対を説明していきます。
適切な電話マナーを身に付けることで、ビジネスのチャンスを掴むこともあれば、逃してしまうこともあります。できて当たり前であるビジネスマナーが、しっかりできていないと相手に与える印象が、仕事の具体的な話をする前にマイナスの印象を与えてしまいます。
この記事を通じて、しっかりとした電話応対を身に着けてください。
電話応対における心構えと基本
では、電話応対における心構えと基本を説明していきます。すでに知っている内容も含まれているかと思いますが、本当に基本的なことであり忘れがちなことですので、しっかり見ていきましょう。
電話応対の心構え
会社の代表である意識を持つ
電話応対は、あなたが会社の「顔」となる瞬間であり、その瞬間は一番最初に相手と関わることになります。電話を通じて相手に伝わるのは、あなたの声と言葉遣いのみです。
声と言葉遣いだけが、相手があなたの会社に持つ印象を大きく左右します。そのため、常に会社の代表であるという自覚を持ち、誠実かつ尊重の念を込めた対応を心がけましょう。
手元にはメモ帳と筆記用具を用意しておく
電話を受けるとすぐに重要な情報を受け取ることになります。そのため、手元にメモ帳と筆記用具を常に用意しておくことで、素早く記録でき、効率的にコミュニケーションを取ることができます。
誰か周りの人に取り次ぐ際にも、正確に相手の情報を伝えることができるようになります。
電話応対の基本
ハキハキと明るい声で応対する
明るくはっきりとした声で応対するようにしましょう。声だけのコミュニケーションになるため、声のトーンによって、印象が大きく変わることになるので、しっかり心掛けましょう。
まずは社名、部署名、名前を名乗る
まず最初に自社名、部署名、そして自分の名前をはっきりと名乗りましょう。
この3つを名乗ることで、電話をかけた先が間違えていないかを相手側が最初にはっきりと認識することができます。
ビジネス電話で「もしもし」はタブー
ビジネスシーンにおいて「もしもし」という言葉は、非公式でカジュアルな印象を与えます。そのため、先の項目で紹介した通り、しっかりと「〇〇株式会社の〇〇と申します」のように、自社名と自己紹介から入るのが適切です。
正しい敬称や敬語を使う
ビジネス電話においては、正しい敬称と敬語を使いましょう。
正しい敬語は、相手への敬意と礼儀を示すことにつながり、間違った敬称や敬語を使ってしまうと、相手に不快な印象を与える可能性があるため、注意が必要です。
電話応対をするときのビジネスマナー
先ほどまでは基本的な心構えを紹介してきましたが、ここでは具体的な電話におけるビジネスマナーを紹介していきます。
電話を受ける時のビジネスマナー
電話を受ける時のビジネスマナーとして下記の点を覚えて、実践しましょう。
- 電話が鳴ったら3コール以内に出る
- 相手の会社名や名前を復唱し、メモする
- 先方が名乗らない、聞き取りづらい場合は聞き直す
- 取り次ぐ場合は保留にする
- 相手が電話を切ってから受話器を置く
- 相手をたらい回しにしないように心掛ける
電話は3コール以内に出る
電話が鳴り始めてから3コール以内に応答するようにしましょう。
ただ、場合によっては、会社ごとに受電ルールが設けられている場合もありますので、その場合は会社のルールに従ってください。
相手の会社名・名前を復唱し、メモを残す
通話を開始するときは、相手の会社名や名前を復唱し、メモを残しましょう。会社名や名前を間違えてしまうことは、失礼にあたります。間違えることのないよう、メモに残すことで正確にコミュニケーションを取ることができます。
【復唱するときの返答例】
「〇〇株式会社の山田様でいらっしゃいますね。いつもお世話になっております。」
先方が名乗らない、聞き取りづらい場合は聞き直す
電話でのコミュニケーションは直接対面しているわけではないため、時には聞き取りにくいこともあるでしょう。その場合は、礼儀正しく、はっきりと相手に確認を求めましょう。
【会社名や名前の尋ね方】
「申し訳ございません、会社名とお名前をもう一度お聞かせいただけますか?」
取り次ぐ場合は保留にする
取り次ぐ必要がある場合は、保留にしてから行いましょう。
また、保留する際も、30秒以上程度、相手を待たせてしまう可能性があれば、すぐに折り返す旨を伝えるようにしましょう。
スムーズに取り次ぐために、事前に社内で使用している電話の使い方を把握しておこう
前以って、社内で使用している電話の使い方や取り次ぎ方法を把握しておきましょう。
いざ受電した際に、取り次ぎ方法が分かっていないと、相手を長時間待たせてしまいます。
取り次ぐ相手が不在の場合の対応
取り次ぐ相手が不在のときは下記のような対応をしましょう。
明確に伝える:まず最初に、担当者がいないことを明確に伝えましょう。
用件をうかがう:可能であれば、相手から用件を伺いましょう。用件を担当者に伝えておくことを、相手に伝えてください。
折り返しのための連絡先を尋ねる:相手の連絡先を尋ね、不在の担当者から後ほど折り返しの連絡をすることを伝えましょう。
【離席しているときの返答例】
「申し訳ございませんが、現在〇〇は席を外しております。何かお伝えすることがございましたら、ご用件を承ります。」
【お休みのときの返答例】
「〇〇は本日お休みをいただいております。ご用件をお聞かせいただければ、明日折り返しご連絡いたします。」
相手が電話を切ってから受話器を置く
ビジネスマナーとして、相手が電話を切ってから受話器を置くようにしましょう。
相手が電話を切っていないときにすぐに乱暴に受話器を置くと、「がちゃっ」という音が聞こえ、雑な印象を受けてしまいます。
相手が先に電話を切らない場合は、受話器の音が立たないように、そっと置いてあげてください。
相手をたらい回しにしないように心掛ける
電話応対では、相手を必要以上に待たせたり、たらい回しにしないよう心掛けることが重要です。
もし、取り次ぐ先がすぐに分からない場合は、一旦その場では担当者を確認する旨を伝え、折り返しの番号を伺った上で、電話を切りましょう。
そして、社内の他の担当者から折り返してもらうように取り次ぐことで、相手をたらい回しにしてしまうリスクを減らせるはずです。
間違い電話を受けた場合の対応
間違い電話の場合でも、丁寧な対応を心掛けましょう。間違いであることを優しく伝え、可能であれば正しい連絡先への案内を行うと良いでしょう。
「お電話いただきありがとうございます。申し訳ありませんが、お掛け間違いではないでしょうか?」
電話をかける時のビジネスマナー
では、電話をかける時のビジネスマナーに関しても紹介していきます。
- 昼食時や朝・夜の業務時間外は避ける
- 休み明け月曜日の午前中は避ける
- 相手が電話に出たとき、もう一度社名と名前を名乗り用件を簡潔に伝える
- 相手が不在の時は戻り時間を尋ね、電話をかけ直す旨を伝える
- 先方の用件で電話を折り返した場合は、その旨を伝える
- 電話を終えたら、受話器をそっと置く
昼食時や朝・夜の業務時間外は避ける
電話をかける際は、相手の業務時間を気に掛けましょう。
具体的に、お昼時の12~13時ごろや、始業前の8~9時ごろ、定時後の19時以降など、一般的に業務が行われていない時間帯は、相手への配慮して避けるべきでしょう。
休み明け月曜日の午前中は避ける
休み明けである月曜日の午前中などは、週の始まりで業務が立て込んでいることが多いです。そのため、急ぎの内容でなければ、このあたりの時間帯の電話は避け、相手が落ち着いて対応できる時間帯を選ぶことが望ましいです。
相手が電話に出たとき、もう一度社名と名前を名乗り用件を簡潔に伝える
相手が応答した後にも、改めて自分の社名と名前を名乗り、その後に用件を簡潔に伝えることがマナーです。用件がすぐに伝わるのでその後のコミュニケーションがスムーズになります。
相手が不在の時は戻り時間を尋ね、電話をかけ直す旨を伝える
相手が不在の場合には、戻り時間を尋ねて電話をかけ直す旨を伝えることが適切です。この時、次の行動を明確に伝えることで、相手側の対応を最小限に抑えることができます。
先方の用件で電話を折り返した場合は、その旨を伝える
折り返しの電話をかける場合は、最初に「先ほど〇〇様よりお電話をいただき、折り返しの電話をさせていただきました。」など、その旨を明確に伝えることが重要です。これにより、コミュニケーションがスムーズになります。
電話を終えたら、受話器をそっと置く
電話を終えた際には、受話器を急に置くのではなく、そっと置くようにしましょう。これは先ほども紹介した通り、相手への細やかな配慮となり、大切なビジネスマナーの一つです。
電話応対をするときによく使うクッション言葉の一覧
「クッション言葉」という言葉を知っていますか?
「クッション言葉」とは、そのまま伝えてしまうと、相手にきつい印象や不快感を与えかねないことをやわらかく伝えるために、前置きとして添える言葉です。クッション言葉を使うことで、スムーズなコミュニケーションを取ることに役立ちます。
そのため、ここでは電話を受ける時やかける時に使えるクッション言葉を紹介していきます。
クッション言葉は、繰り返し使うと定型文のように感じられ、気持ちがこもっていないように受け取られることもあるため、バリエーションを多く持っていると良いでしょう。
何かを尋ねる時に使えるクッション言葉
「お手数ですが」
「少々お時間をいただけますでしょうか」
「恐れ入りますが」
「申し訳ありませんが」
「お忙しいところ恐縮ですが」
「もしよろしければ」
「お時間の許す限り」
「お手すきの際に」
何かをお願いする時に使えるクッション言葉
「お手数ですが」
「もしよろしければ」
「お時間が許すなら」
「ご都合がよろしければ」
「お忙しいところ恐れ入りますが」
「ご検討いただけますと幸いです」
「何卒よろしくお願い申し上げます」
何かを断る時に使えるクッション言葉
「大変申し訳ありませんが」
「現在、手が離せない状況です」
「他の案件が立て込んでおります」
「スケジュールが合わないようで」
「その件については専門外です」
「適切な人物をご紹介できればと思います」
「改めてご連絡させていただきます」
全体のまとめ
この記事では電話におけるビジネスマナーの基本や応対の仕方を紹介してきました。
定型的な内容も多く、最初のうちは慣れないことで上手く応対できないこともあるかもしれませんが、よく使うクッション言葉や対処方法を知ってくことで、実際に電話応対したときに慌てず、スムーズに対応できるようになります。
よく使うクッション言葉を覚えるだけでも、しっかりとしたビジネスマナーが身についているという印象を与えることもできますので、ぜひ普段の電話応対に活かしてください。