職場で起こるコミュニケーションギャップの原因とは?解決方法と心構えを紹介!

ビジネススキル
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ここ数年で、リモートワークはものすごい勢いで浸透し、今では当たり前のようにリモートワークをし、Web会議でコミュニケーションを取る機会が増えています。

その中で、コミュニケーションに関する職場での課題が広がってきています。その課題とは、「コミュニケーションギャップが起きている」ことです。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが行った「上司・部下間コミュニケーションに関する実態調査」によると、上司と部下間でのコミュニケーションの不一致や、十分なコミュニケーションが取れていないと感じる場面が多く存在しているようです。

特に、リモートワークの環境下では、伝えたいニュアンスが伝わらないといった課題がこの調査結果から顕在化していることが分かります​​。

では、なぜコミュニケーションギャップが発生してしまうのでしょうか。コミュニケーションギャップの意味も説明しつつ、これらの課題への解決方法をこの記事では紹介していきます。

「コミュニケーションギャップ」の定義

コミュニケーションギャップは、異なる背景や立場、世代間の理解の違いにより生じる、情報伝達の不一致や誤解の状態を指します。

このギャップとは、ビジネスの場だけでなく、日常生活においても発生します。言葉の意味を誤解してたり、非言語的なサインを間違えて汲み取ってしまったり、または、価値観の違いによる誤解などが含まれます。

コミュニケーションギャップが起きることで、お互いの考えが意図通りに伝わらないことでストレスになったり、人間関係が上手くいかなくなる原因になってしまうでしょう。

この記事では、特に職場でのコミュニケーションギャップについてフォーカスして話していきたいと思います。

コミュニケーションギャップが起きてしまう原因は?

では、なぜ職場でのコミュニケーションギャップが起きてしまうのでしょうか?その原因について紹介していきます。

あなたの職場でも同じようなことが起きており、共感する部分があるかもしれません。

上司とメンバー間など、立場や役職の違い

リーダー(上司)とメンバー(部下)の間では、経験やスキル、視座、目標の違いなどの理由で同じ目線でのコミュニケーションが取れていない場合が多々発生してしまいます。

例えば、課長職までにしか伝えられていない社内の機密情報があったとして、その情報をメンバーが知らないまま業務を進めるとします。

機密情報が事業を進める上で、重要な情報であり、今後の方針や戦略に大いに影響するのであれば、そのようなギャップがあるまま進んでしまえば、上司とメンバーの間で方向性にずれが出てきてしまいます。

それによって、上司が目指しているものとメンバーが行っている業務にズレが出てくることになり、組織が目指すゴールにたどり着けなくなってしまうでしょう。

思い込み

上司と部下の間での「思い込みの違い」は、コミュニケーションギャップを生じさせる一因です。相手の意図や状況を誤って解釈することで、誤解が生まれやすくなります。

例えば、新しい取引先を探すときには必ず3社は合い見積もりを取りますが、上司は認識していても、メンバーは知らない可能性もあるわけです。

上司からすれば当たり前のことであっても、経験が足りないメンバーにとっては知らないことも多々あり、この積み重ねが徐々にコミュニケーションギャップを広げていくことになります。

依頼目的が共有されていない

メンバーへ依頼する目的が上司から明確に伝えられていない場合も、コミュニケーションギャップを引き起こしてしまいます。

例えば、〇〇株式会社が展開している△△△サービスについて調べておいてと、上司から依頼されたとします。

しかし、依頼されたメンバーからどんな目的で△△△サービスを調べるのかが分からないので、サービスの概要や強みなど大枠の調査しかできなかったり、全てを調査するためにメンバーが膨大な工数をかけてしまう可能性もあります。

依頼する段階から、自社が×××業界への新規参入を検討していて、△△△サービスの市場内での優位性を知りたい、といった目的を共有しておけば、調査方法も明確になり、調査すべき項目も明確になります。

世代の違い(ジェネレーションギャップ)

世代間の価値観やコミュニケーションスタイルの違いも、ギャップを生じさせる原因になります。

例えば、上司が退社するまでは、メンバーは退社せず残って仕事をしなくてはいけないという雰囲気がかつての職場ではありましたが、最近では、たとえ上司が勤務していても定時になればメンバーはあっさりと定時上がりをすることを気にしないようになってきています。

かつての価値観を持った上司からすれば、最近のメンバーの価値観には驚きがあることでしょう。

伝え方が適切でない

情報の伝え方が適切でない場合もコミュニケーションギャップを生んでしまう原因になります。

例えば、上司が「〇〇案件で進捗状況が芳しくないけど、どうなってる?」とSlackやChatworkなどのチャットツールでメンバーに対して確認したとします。

上司としては、特に詰めているわけではなく、比較的フランクに確認を取ったつもりが、メンバーからすれば、上司が怒っているのではないかと不安に感じてしまうのではないでしょうか。

これがもし1on1などで、優しい口調でフランクな雰囲気の中でされた質問だったとしたら、上司が意図したフランクな確認として、正確にメンバーに伝わっていたでしょう。

優先順位や重要度への認識のズレ

優先順位や重要度の認識にズレがあるときも、コミュニケーションギャップが生じます。

ビジネスシーンでは、よく「なるはや」といったあいまいな表現が使われ、仮に上司から「この案件、なるはやで対応しておいて」と言われてしまうと、どの程度重要性が高いのかが、意図通りメンバーには伝わらないでしょう。

「なるはや」を使ってしまう人は大抵、明確な優先順位が設定できていないことが見受けられますので、クセがついている方は「なるはや」というあいまいな表現は使わないようにしましょう。

コミュニケーションギャップが起きることの弊害は?

職場でコミュニケーションギャップが発生してしまうと、下記のようなさまざまな弊害を引き起こしてしまいます。

  • チーム全体の生産性や効率が低下してしまう
  • 退職する人が増えてしまう
  • 顧客やクライアントからの信頼が低下してしまう
  • 企業の競争力が落ちてしまう

下記の記事でも詳細を説明しているのでこちらの記事もご覧ください。

コミュニケーションギャップを解消するためにはどうすれば良い?

では、すでにコミュニケーションギャップが起きている職場ではどのように解決していけばよいのでしょうか?

ここでは、その解決方法について紹介していきます。

質問する責任・説明する責任を果たすこと

コミュニケーションは受け手側に意図を伝えることが目的です。

そのため、もし理解できない点があれば、受け手側は積極的に質問するように心掛け、そして、伝える側は、伝えたい情報については、しっかりと受け手側が理解できるように十分な説明を行うように心掛けましょう。

  • 不明点が無いか確認し合い、不明点をつぶすこと
  • 説明した内容を相手に復唱してもらうこと

共通言語を使う

組織内で使用する言葉や用語を統一しましょう。そうすることで、メンバー間での言葉の認識の違いが無くなり、誤解を防ぐことができます。その結果、スムーズでミスコミュニケーションを減らすことにつながります。

この点で注意が必要なこととして、組織の中だけで通用する共通言語だった場合は、社外では通用しない言葉になります。

そのため、社外の人とのコミュニケーションが多い人は、一般的に使われている用語をしっかりと身に着けて使うようにしましょう。

その意味では、組織内の共通言語を多用してしまうと、仮に転職や独立・副業するときにギャップが生まれてしまうので、一般的な教養を身に着けることがコミュニケーションギャップを減らすことにつながるでしょう。

報連相を徹底する

チーム内での報告・連絡・相談(報連相)を日常的に徹底するようにしましょう。これは、日々状況が変化していくビジネス環境では、とても大切なことです。

例えば、Webメディアを運営しているチーム内では、Googleのアルゴリズムアップデートがされた時には、これまでの当たり前が当たり前では無くなっている可能性があるため、その情報をキャッチアップした場合は、メンバー全員に共有する必要があるでしょう。

このように日々起きる変化を共有することで、コミュニケーションギャップを減らしていくことにつながります。

周りの人もすでに知っている情報なのではないか?と自信の無い方は良く見かけますが、臆することなく、報告していきましょう。

もし周りの人も知っていたのであれば、それはコミュニケーションギャップが起きていないことが分かるのでとてもポジティブなことです。

そして、周りの人が知らない情報だったのであれば、それはとても有益な情報としてチームに受け入れられ、ギャップを埋めることにつながり、結果、行動するメリットしかないことが理解できると思います。

全体のまとめ

ここまで職場で起こるコミュニケーションギャップについて紹介してきました。

自分にとっての当たり前は、他の人にとっては当たり前ではないことが多く存在します。そのことを前もって理解しておくだけでも、ここで紹介したようなコミュニケーションギャップが引き起こす問題を減らしていくことができるはずです。

また、日本人は奥ゆかしい人が多く、他の人が知っていると思い込み、職場での情報発信をする人が少ないように感じます。

それによって、コミュニケーションギャップが起きてしまうこともあるので、この記事を読んだ方は臆することなく、有益だと感じた情報は周りにも伝えてみてください。

そんな意識を持つだけでも、チーム内だけでなく、日常生活でのコミュニケーションギャップも減らしていくことができるはずです。