ミラーリング効果の持つ本当の意味とは?職場でのコミュニケーションで使うときの注意点

ビジネススキル
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あなたは「ミラーリング効果」という言葉を聞いたことがありますか?

良く知られているミラーリングの意味は「相手の仕草や言動をミラー(鏡)のように自然に真似すること」であり、「自分と同様の仕草や行動をする人に無意識に親近感を抱かせる心理的テクニック」です。

すでにミラーリング効果を知っている方、されたことがある方の中には、少しうっとうしいものだと感じ、良いイメージを持っていない方もいるのではないでしょうか?

この記事では、改めてミラーリング効果の定義やミラーリング効果の背景にあるミラーリング理論について説明します。その上で、職場でミラーリング効果を使う時のメリットや注意点などを紹介していきたいと思います。

ミラーリング効果とは

多くの人は、「ミラーリング」とは、相手の仕草や言動をミラー(鏡)のように自然に真似することで、他者から好かれるための心理的テクニックという認識を持っていませんか?

この定義は間違っていませんが、少しうっとうしい心理テクニックであり、効果はないという認識を持っている人もいるでしょう。

そんな方のために、ミラーリング効果の背景にある心理学的な理論を参考に説明していきます。

心理学的には、ミラーリング効果とは、他者の感情や行動を反映して、自分自身の行動や感情を変えることであり、他者の感情や行動を受け入れることで、他者との信頼関係を強めるという結果をもたらしてくれる効果です。

この説明を見ると、少しミラーリング効果への感じ方が変わってきませんか?

好かれるためのテクニックとしてミラーリングを活用するのではなく、相手を理解し寄り添うためにミラーリングを使うというのが、本来のミラーリングの目的ということですね。

※参考:ミラーリング効果:心理学的な視点から | 心理学、面白い方法

職場でのコミュニケーションにミラーリングを使う効果とメリット

ミラーリングの意味を説明してきましたが、その内容を踏まえて、職場でのコミュニケーションを取る時にミラーリングを活用することで期待できる効果やメリットを紹介していきます。

チームメンバー間と打ち解け、信頼関係が高まる

チームメンバーの気持ちを理解するために行動をマネすることによって、チームメンバーとの親近感はもちろん、自然と信頼関係が築けるでしょう。

心理学の類似性の法則も背景にありますが、似たもの同士、自然と親近感を感じ、好意を持ちやすいため、ミラーリングをすることで共感を抱かせやすいでしょう。

チームメンバーのコミュニケーションが円滑になる

先ほど紹介した通り、信頼関係を築いたメンバー同士であれば、コミュニケーションは円滑になっていくでしょう。

チームの課題を議論をする時にも、信頼関係が築けていれば、自身の考えを発言しやすいですし、いっそうお互いの意見を理解し合えるため、チーム内のコミュニケーションの質が向上するでしょう。

チームメンバーの人間関係の改善に役立つ

ミラーリングをすることで、チーム内での人間関係もより良い関係に変えていくことができるでしょう。

心理学的な本来のミラーリング効果の視点に立てば、「相手の感情や行動を受け入れる」ことで、たとえ関係が芳しくなかったメンバーであっても、歩み寄ることで理解し合える存在になるはずです。

結果、職場の雰囲気を改善していくことにつながるでしょう。

相手の行動をまねることで他者の理解につながる

これは、改めて心理学的なミラーリング効果の本来の目的になります。

相手の感情や考えを受け入れて、マネをすることで、深く理解することができるので、相手が感じている感情を理解する機会になるはずです。

これを繰り返していけば、より深いレベルでのメンバー同士で共感でき、相互理解が深まっていくでしょう。

職場コミュニケーションで役立つミラーリングの具体的な使い方

それでは、ここでは職場で使える具体的なミラーリングについて紹介していきます。

ミラーリングが使える場面:取引先との商談

ビジネスシーンで特に重要なのが取引先との商談です。

例えば、新規開拓を目指す新規顧客との商談の場面でミラーリングを適切に使うことで、相手から信頼感、安心感を抱いてもらうことで、商談の成功率を高めることができるでしょう。

相手の考え、姿勢や話し方を受け入れ、適度にマネをすることで、相手は無意識のうちに親近感を抱きやすくなります。商談後の良好な関係の構築につなげていくことができるはずです。

ミラーリングが使える場面:社内での作業中

社内でのチームワークは、業務の効率と社員の満足度に直結します。ここで、同僚や上司に対してミラーリングを使うことで、同僚や上司の考えの理解につながり、より良い関係を築きやすくなります。

その結果、上司からのサポートを得ることにもつながるでしょう。

職場コミュニケーションでミラーリングを使うときの注意点

ここでは、ミラーリングを使うときの注意点についても紹介していきます。当初、読者の方が持っていたミラーリングへの良くないイメージはここで紹介することから感じていたかと思います。

改めて注意喚起の意味で紹介していきます。

あからさまなミラーリング

ミラーリングの良くないイメージは、このあからさまなミラーリングをされたことに対する嫌悪感ではないでしょうか。

例えば、相手が話したことのオウム返ししかしないとか、相手が腕を組んだ直後に不自然に自分も腕を組むなど、明らかに相手の動作を真似る行動は不自然に映り、不快感を与えてしまうでしょう。

ミラーリングは適度な頻度やタイミング、自然な振る舞いが重要な鍵となります。

否定的な意見のミラーリング

ビジネスの場面で注意が必要なのが、否定的な意見に対してミラーリングをしてしまう場合です。

例えば、賃貸仲介の営業で顧客が「この物件は駅から遠すぎる」と話したときに「確かに遠いですね」と同意してしまうと、その物件の印象はさらに悪くなってしまうでしょう。

ミラーリングは相手の感情や立場を理解するために使えますが、自分の立場や意見を失ってしまうような使い方は避けるべきです。

全体のまとめ

この記事では、あまり良い印象が持たれていないであろう「ミラーリング」に関しての本来の意味やビジネスシーンでの活用の仕方、注意点を紹介してきました。

読者の皆さまも、ミラーリングは単なるマネをするテクニックとして活用するのではなく、相手の考えを受け入れて、自分を変えていくことで、相手からの共感を得るという認識でミラーリングを活用してみてください。

言葉は違いますが、「傾聴する」ことと本質的には同じだと考えており、コミュニケーションを上手く取るためには、根本的には相手に寄り添うことが大切なのだと理解していただけるはずです。