私たちの日々の生活は様々なストレスとともにあります。ストレス解消には様々な方法がありますが、読書も効果的なストレス解消方法の1つです。
ここでは、読書によるストレスの解消効果とともに、読書によるストレス解消のコツも紹介します。
日々の生活でストレスを感じている方は、本記事を参考に、読書によるストレス解消を検討してみてください。
読書のストレス解消効果とは?
日々の生活で感じているストレスは、心と体の健康に大きな影響を及ぼします。そのようなストレスを緩和し、リラックスさせる有効な方法の一つが読書です。
体感として読書でリラックス効果を感じたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に研究も行われています。イギリスのサセックス大学の研究チームが行った研究によると、わずか6分間の読書でストレスが68%も軽減されるとされています。
この研究は、心拍数の低下や筋肉の緊張緩和からストレスの軽減度合いを計測したもので、「読書」「音楽鑑賞」「コーヒーを飲むこと」「ゲームをすること」「散歩」の5項目によるストレスの軽減度合いについての研究を行っています。
その結果は以下の通りです。
- 読書:68%軽減
- 音楽鑑賞:61%軽減
- コーヒーを飲むこと:54%軽減
- ゲームすること:21%軽減
- 散歩:42%軽減
他の行動と比較しても、読書はかなり高いストレス解消効果があることが分かります。
読書がストレス解消になる理由
それではなぜ読書にストレス解消効果があるのでしょうか?ここでは読書がストレス解消になる理由を解説します。
本の内容に没頭できる
物語に没頭することで、心が現実の問題やストレスから一時的に離れ、完全に異なる世界に浸ることができます。これにより、心をリフレッシュし、ストレスを感じる前の状態に戻すことができます。また、物語の世界に深く入り込むことで、現実世界の問題が一時的に小さく感じられ、相対的な視点から見ることが可能になります。
自分のペースで楽しめる
読書は、無理なく、自分自身のリズムで進めることができます。これは心の安定につながり、心地よい状態を持続することを可能にします。他人に追われることなく、自分自身の時間を過ごすことができます。
読書にはリラックス効果がある
読書は、心拍数を減らし、筋肉の緊張を和らげ、リラックス状態を促進する効果があります。
また、読書は一般的に静かな環境で行われることが多いため、落ち着いた雰囲気や居心地の良い環境によりリラックス効果を得ることもできます。
共感力が活発になる
読書をすると、物語の登場人物の視点を理解し、共感する能力が鍛えられます。これにより、現実世界の人間関係においても他人の視点を理解しやすくなり、対人関係のストレスが軽減されることもあるでしょう。
また人間はコミュニケーションを求める傾向があるため、孤独を感じることは大きなストレスとなります。読書によって共感力が高められることは、そういった孤独感によるストレスの解消にも役立ちます。
読書でストレスを解消するコツ5選
それでは、読書で効果的にストレスを解消するにはどのようにすればよいのでしょうか。ここでは読書でストレスを解消するときのコツを5つご紹介します。
6分以上読書をする
最初に紹介したサセックス大学の研究によると、わずか6分の読書でストレスが68%も軽減するとされています。これは、読書が非常に効率的なストレス解消法であることを示しています。
忙しくて時間がないと思うかもしれませんが、6分間だけでも本に向かう時間を見つけることで、その日の緊張やストレスから解放され、リフレッシュすることができます。
興味のあるジャンルの本を読む
自分が興味を持つジャンルの本を選ぶことで、読書はより楽しくなり、本の中の世界に自然と没頭することができます。興味のあるテーマにより、ストレス解消に必要なリラクゼーションと脳の刺激を得られ、同時に新たな知識も吸収できます。
フィクションを読む
フィクションは、読者の心を現実世界から切り離し、全く新しい視点や人間関係、状況に対する理解を深める力があります。現実のストレスから逃れるための一時的な避難所となり、心の休息を提供します。
フィクションを読む際には、純文学がおすすめです。「純文学なんて難しい」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、人間の心情の多様なありかたが描かれている純文学を読むことで、より共感力が高まり、読書に没頭することができるでしょう。
とはいえ、純文学に馴染みのない方は、どういった本を読めばよいのかイメージがつきにくいのではないでしょうか。
ここでは有名なおすすめの純文学を2冊ご紹介します。
『こころ』夏目漱石
エゴイズムと人間の心の機微が描かれたこの作品は、多くの人に読まれている夏目漱石の代表作です。皆さんの中にも高校の授業などで読んだことがある方がいらっしゃるのではないでしょうか?
改めて読んでみることで、読んだ後の考え方の変化なども感じることができるかもしれません。
『人間失格』太宰治
人間失格は人間社会の中で、本当の自分をさらけ出すことができず孤独を感じながらも生きてきた主人公葉蔵の幼少期から青年期を追う物語です。
人間の苦悩と孤独、そして社会と自己との葛藤を描くこの作品は、自分自身の内面を見つめ、人間とは何かを問い直すための手助けとなるでしょう。
落ち着ける場所で読む
読書は静かな環境で行うことで、その効果が最大化されます。心地よい読書の場所を見つけ、邪魔がなくリラックスできる空間で読書を行うことで、ストレスから逃れ、集中力を高めることができます。
また、音楽やコーヒーを楽しみながら本を読むこともストレスの解消につながるでしょう。
夜に読書をする
実用書などを集中して読みたい場合の読書は朝がおすすめですが、ストレス解消を目指す場合は夜の読書がおすすめです。
就寝前の読書は、睡眠の質を向上させる効果があります。読書は自律神経を整え、心を落ち着かせ、良質な睡眠を促します。ただし、明るい光を発するデバイスで読むと睡眠を妨げるため、紙の本を読むか、明るさを調整できる電子書籍リーダーを使用するとよいでしょう。
読書によって得られる効果
ここまで読書によるストレス解消効果について解説してきましたが、読書にはストレス解消以外の効果もあります。ここではストレス解消以外の読書の効果をご紹介します。
想像力や思考力が向上する
読書を通して、これまでにはなかったような新しい視点を得ることができます。著者の視点から物語の世界を探索し、登場人物の行動や意図を理解することは、脳を活性化させ、想像力を刺激してくれます。さらには、物語の解釈や登場人物の動機を考えることが、思考力を鍛え、より深い洞察力を育てくれるでしょう。
文章力や表現力が鍛えられる
読書は豊富な語彙と文法を身につける最良の方法で、表現力を向上させる効果があります。さまざまなスタイルと視点から書かれた本を読むことで、自分の書き方や話し方に役立つ新しい表現方法を学ぶことができます。
また、複雑なアイデアや感情を言葉にする能力は、個人的なコミュニケーションだけでなく、ビジネス環境でも非常に価値のあるスキルとなります。
コミュニケーション能力が向上する
物語を通じて他者の経験や感情に共感することで、他者の視点を理解し、感情を共有する力が鍛えられます。これにより、人間関係が円滑になり、自分の感情や考えを他人により良く伝える能力が高まります。
まとめ
読書は、ストレスを解消し、リラックス効果を与えるだけでなく、思考力、表現力、コミュニケーション能力を高める効果もあります。読書を日常生活の一部に取り入れることで、ストレスの軽減とともに、自己成長を実現することができるでしょう。
皆さんも、まずは1日6分の読書から試してみてはいかがでしょうか。