PREP法とは?メリット・デメリットや練習方法も解説!【例文つき】

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社会人として働くようになると、人前で商品やサービスを紹介したり、人に意見を伝えたりする場面は非常に多くなります。例えば、プレゼンテーションや商談、上司にビジネスプランを紹介するときなど、いくつか挙げることができるでしょう。

ビジネスパーソンが文書等で何かを人に伝えるとき、達成したい目標があるというケースが一般的です。「クライアントに自社サービスの魅力を知ってもらう」、「提案するプロジェクトを上司に採用してもらう」など何かの目的があるため、それを達成するためには、相手を説得する必要があります。

そして、文書や話に説得力を持たせるために用いられる方法のひとつにPREP法が挙げられます。

ビジネスパーソンの中には、PREP法の具体的な意味や魅力などを知り、ビジネスシーンに取り入れたいという方もいるのではないでしょうか?

そこで、今回はPREP法の概要やメリット・デメリット、練習方法などについて解説します。また、最後に例文を用いて具体的な使い方についてもご紹介しますので、興味のある方はぜひ参考にしてください。

PREP法とは?わかりやすく解説

PREP法とは、Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論)の順に内容を伝える文章構成、話し方のことです。ビジネス文書やプレゼンテーションなどビジネスシーンで用いられることが多く、話に説得力を持たせるために使われます。『PREP』は、Point・Reason・Example・Pointの頭文字をつなげた言葉です。

PREP法は、まず結論を伝えてそのあとに理由、具体例を述べ、最後に結論を繰り返すフローです。話を聞くとき、人間ははじめの30秒間がもっとも集中力が高いといわれています。全体の話の流れの最初に結論を述べることで、話し手の集中力がもっとも高いときに知ってもらいたい内容を伝えることができるため、強く印象をつけられたり、話の理解度が高まったりするという点が魅力です。

PREP法で解決できること

文章構成や話し方に取り入れることで下記の悩みを解決できます。

  • 話がわかりづらくなってしまう
  • 話が長くなってしまう

話がわかりづらくなってしまう理由のひとつに、過程や原因から入って話していることが挙げられます。

この場合、聞き手は相手が一体何を伝えたいのかわからないと感じてしまうため、話の内容が理解しづらくなります。そして、結果的に言いたいことがうまく伝わりません。

ビジネスシーンにPREP法を採用することで、結論から先に述べるため、相手にまず結論を知ってもらうことができます。これにより、わかりやすく話を伝えられるようになるのです。

また、内容を端的に話せます。基本的にビジネスパーソンは仕事に追われているため時間に余裕がない人も少なくありません。そのため、話を短くまとめてわかりやすく伝える必要があります。

PREP法を用い結論を先に伝えることで、話も長くなることがないため、ビジネスパーソンにとって魅力のある手法です。

SDS法との違いは?

よく比較される言葉にSDS法があります。SDS法とは、Summary(要点)→Details(詳細)→Summary(要点)の順に話を伝える文章構成及びフレームワークのことです。

ニュースやプレゼンテーションなどに用いられます。要点を先に述べて詳細を説明し、要点で話をしめるため、スピーディーに伝えられることが大きな利点です。

PREP法との違いは文章構成です。SDS法は詳細を重視しているのに対して、PREP法は結論を伝えることに重きを置いています。

SDS法は、ビジネスシーンにおける自己紹介や人の紹介、スピーチなどに有効な構成です。両者には、“結論”or“要点”という点で大きな違いがありますが、どちらもビジネスシーンで使われるフレームワークになるため、一緒に覚えておくといいでしょう。

PREP法を用いることで獲得できる4つのメリット

PREP法を取り入れることで得られるメリットは下記の4つです。

  • スムーズに話せるようになる
  • 不要なやり取りを減らせる
  • 説得力を持たせることができる
  • 情報整理に活用できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

コミュニケーションがスムーズになる

1つ目は、スムーズなコミュニケーションの実現が可能な点です。

PREP法の文章構成に従うことで、論理的に話せるようになります。これにより、話の内容が伝わりやすくなったり、短い時間で話せたりするのがメリットです。

また、この魅力により聞き手のストレスが減ります。「何を話したいのかわからない」、「説明の内容が理解できない」という気持ちを抱かせる心配がないため、聞き手にもメリットがあるといえるでしょう。

不要なやり取りを減らせる

2つ目は、不要なやり取りを減らすことができる点です。

PREP法を意識せずに相手とやり取りをすると聞き返されることが多くなります。例えば、内容がまとまっていないため、「はじめから説明してくれる?」、「一体何がいいたいの?」など相手は内容を理解するために、何回も聞き返すことになるのです。

このような不要なやり取りが発生すると多くの時間を浪費します。結果的に、業務の非効率化につながるので、好ましい状況ではありません。

一方、PREP法を活用することで、結論から先に伝えるため、聞き返しが少なくなります。不要なやり取りを減らすことで、時間の削減や業務効率化など自分自身や社内にメリットがあるためおすすめです。

文章の内容に説得力が生まれる

3つ目は、文章の内容に説得力が生まれることです。

結論から伝えたいことを述べるため、相手に印象が残りやすくなります。また、結論から話に入り、あとで理由や具体例を述べることで、論理的に話すことができるため、説得力も高いです。

概要のところでも解説しましたが、人間が話を聞くとき、もっとも集中力が高い時間は30秒間です。この30秒の間に結論を伝えられるため、説得力も高くなるといわれています。

情報整理の習慣が身に付く

4つ目は、情報整理の習慣が身に付くことです。

情報整理は、仕事の効率を高められるなどさまざまな利点があるため、ビジネスパーソンにとって必要不可欠といえます。情報整理がうまくできるようになると、情報を重要なもののみにスリム化し、ピックアップすることができるため、ポイントを的確に把握して仕事を進めることが可能です。仕事の能力が上がれば、社内からの評価も高くなるため、必要とされる人材になれるでしょう。

情報整理をうまく行うためには、物事を論理的に考えることを習慣化する必要があります。論理的に物事を捉えることで、膨大な情報の中から必要なものだけをピックアップすることができるようになるからです。

結論→理由→具体例→結論の順に構成を考えたり、話したりすることで、論理的に物事を考える習慣が身に付きます。これにより、情報整理能力を向上させることができるため、ビジネスパーソンにとって大きなメリットであるといえるでしょう。

PREPのデメリット

このようにメリットが多い手法のひとつですが、逆にデメリットもいくつか存在します。取り入れる際に何に注意すればいいのかわかるようになるため、ぜひ参考にしてください。

長文作成には向かない

1つ目は、長文の作成には向かないという点です。

ビジネスシーンにおいては、物事を端的に伝える能力が求められるため、適した手法になります。一方、長時間話すことが求められる原稿等に採用することはできません。

そもそも短時間で説明する際に用いられる手法になるため、長時間のスピーチなどに採用すると、話す内容が少なくなります。また、内容の意図が相手に伝わりづらくなるため、好ましくありません。

起承転結でストーリーを作る物語にも向かない手法です。

物語などは相手の心に訴えかけるように文章を作成します。結論から先に物語を話してしまうと小説などは面白みを失ってしまうでしょう。例えば、ミステリーやサスペンスで結末を先に書いてしまうと読み進めることの楽しさが少なくなってしまいます。

そのほかにも、物語を書くときに採用すると温かみのない文章になってしまうため、一般的に起承転結でストーリーを描く文書には使われないことが多いです。

慣れるまでには時間がかかる

2つ目は、慣れるまでに時間がかかることです。

結論→理由→具体例→結論という順番に説明することが決まっているため、取り入れた初期段階は言葉につまることも多くなります。なぜなら、先に結論を述べなければならないため、そもそも結論がわかっていないと話し始めることすら不可能だからです。

また、結論だけでなく、そのあとに理由や具体例を交えてわかりやすく解説しなければなりません。そのため、話す内容に対して相当な理解が必要です。

特に、取り入れたばかりの頃は元々の話し方に引っ張られやすいため、身に付くまでに時間がかかります。しかし、身に付いたあとの恩恵は大きいです。また、はじめて習得するものはPREP法に限らず時間がかかるため、その点は割り切るようにしましょう。

初対面には悪い印象を与えてしまうことも

3つ目のデメリットは、初対面の人に悪い印象を与えてしまう可能性があるという点です。

非常に説得力の高い手法になりますが、逆に相手によっては押しつけがましい印象を持ってしまう場合もあります。特に、メールなどは相手に面と向かって伝えているわけではありません。文面のみから相手の気持ちを読み取ったり、内容を理解したりする必要があるため、場合によっては冷たいと感じてしまう方もいるでしょう。

悪い印象を与えないためには、できるだけマイルドな言葉を選ぶなど相手に配慮することが求められます。

PREP法を用いると最適な場面

それでは、具体的にどのような場面で用いればいいのでしょうか?最適な場面を3つご紹介します。

①プレゼン

1つ目はプレゼンテーションです。

PREP法は、プレゼンテーションを組み立てるための構成方法のひとつになるため、頻繁に用いられます。その理由は、プレゼンによくありがちな下記のような課題を解決するためです。

  • 長引いてしまう
  • いいたいことが伝わらない

ビジネスパーソンの中には、実際にプレゼンを経験し、時間通りに終えることができなかったという方もいるのではないでしょうか。また、終了時刻までに間に合ったとしても後半早口になってしまったり、無理やり早く進めてしまったりした経験がある方も少なくないでしょう。そのほかにも、相手にうまく伝わっていないなどプレゼンにおける課題はいくつも挙げることができます。

これらの課題を解決するためには、プレゼン資料を簡潔にすることが求められます。そして、それを実現するために、PREP法が用いられるというわけです。

例えば、オーディエンスは資料をさらっと読むことができます。また、少ない文字で伝えたいことを伝えることができるため、プレゼンはPREP法を用いる最適な場面のひとつです。

②メールやビジネスチャット

2つ目は、メールやビジネスチャットです。

IT技術の進歩や働き方改革、テレワークの推進などにより従来に比べてメールやビジネスチャットは非常に活用されるようになっています。社内はもちろんのこと、社外のクライアントとの連絡手段としても用いられるため、日頃から使用している方は多いのではないでしょうか?

メールやビジネスチャットは、面と向かって話せなかったり、手振り素振りを付け加えることができなかったりするため、文章によっては理解しづらくなるケースがあります。そのため、PREP法を取り入れることでわかりやすい端的なメッセージを送ることができるようになるのです。

また、メールやビジネスチャットの中で取り入れれば、文章の組み立て方の練習を何回も行うことができるようになるので、身に付きやすいというメリットがあります。

しかし、デメリットでもご紹介したように悪い印象を持たれてしまう可能性があるため、できるだけマイルドな言葉をチョイスするようにしましょう。

③面接

3つ目は、就職活動です。

就職活動をするとき、エントリーシートに志望動機や自己PRを記載しなければなりません。内容が理解しづらい志望動機や自己PRは企業によって評価が下がるケースもあります。そのため、できるだけ要点をまとめてわかりやすく説明しなければなりません。

また、エントリーシートだけでなく、面接においても聞かれたことに対してはっきりと相手にわかりやすく伝えることが求められます。

就職活動にPREP法を用いれば、法則に則った書き方や話し方で志望動機や自己PRを書くことが可能です。そのため、就職活動にも頻繁に用いられる手法になります。

④上司への報告

4つ目は、上司への報告です。

多くの企業は報連相を大切しています。そのため、上司へ報告する機会は非常に多いです。

上司へ報告する際、結論を先に述べずにダラダラと話していると嫌がられるケースもあります。なぜなら、上司も限られた時間の中で多くの業務をこなす必要があるからです。

そこで、PREP法が用いられます。結論から先に報告することができるため、上司の時間を奪う心配がありません。相手にわかりやすく報告してもらえるため、好印象を持ってもらえる可能性があります。

PREP法の具体的な練習方法

PREP法は、文章構成や話す順序が決まっているため、習得するまでに練習する必要があります。ここでは、具体的な練習方法を詳しく解説しますので、どのように身に付ければいいのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

①社内等で勉強会や研修を積極的に行う

社内でPREP法を採用し、社員に取り入れてもらいたいという企業は、勉強会や研修を設けて積極的に社員が活用したいと思う努力が必要です。例えば、プレゼンテーション研修やビジネス文書研修などを行うなど、担当者に合わせた内容で勉強会・研修等を提供するようにします。

また、研修にはさまざまな形式があります。具体的には、対面式やオンライン形式などが挙げられるでしょう。どのような形式を採用すれば社員から理解を得られやすいのか、参加者を募りやすいのかを考えて予算内で取り組むのがおすすめです。

②報連相は常にPREP法を使うよう意識する

報連相のとき、積極的に活用するようにします。

社内全体ではなく、業務効率化や人事からの評価を高めるため、個人的にPREP法を活用したいという方も少なくないでしょう。そのような方は、報連相をうまく利用して練習するのがおすすめです。

先述した通り、報連相は多くの企業が大事にしている業務に対する取り組み方であり、業務効率化やトラブル回避、問題の早期解決などさまざまなメリットがあります。そのため、業務の中で上司に報告したり、同僚と情報を共有したりするケースは少なくないでしょう。

このように、報連相を行う機会は非常に多いため、PREP法を練習すれば、効率的に習得することができます。そのため、練習シーンとして最適となるでしょう。

③資料作成でPREP法を意識する

資料を作成する際に意識することで、PREP法の練習につながります。

業務中にプレゼン資料など、文書を作成する機会は非常に多いため、報連相と同様に練習の機会として最適です。しかし、業務で作成する資料は、実際にプレゼン等で使用するため、事前にPREP法に関してしっかりとインプットするようにしてください。

PREP法を意識して資料を作成するようになると、後輩もPREP法に触れる機会が多くなるため、周囲に浸透しやすくなります。そのため、社内やチーム全体で資料作成に関する慣習を変えたいときにもおすすめです。

④フィードバックもしっかりもらう

練習をするときは、必ずフィードバックをもらうようにします。

PREP法に慣れるために、積極的に使うように意識していてもフィードバックがなければ、改善点が見つかりづらいです。例えば、本人は結論→理由→具体例→結論の順に構成を作っているつもりでも聞き手からはそのように聞こえなかったり、伝わりづらくなってしまっていたりする可能性もあります。そのため、改善点を洗い出し、効率的に身に付けていくためには、フィードバックが必要です。

また、フィードバックをすることで下記のようなメリットも得ることができます。

  •  フィードバックをする本人も成長できるなど人材育成の効果を得られる
  • パフォーマンスが向上する
  • 問題を解決しやすい

フィードバックをもらうためには、プレゼン研修など練習できる機会を設けます。そして、参加者にフィードバックをもらうことで話し手は改善点などを見つけることができるでしょう。

PREP法の例文をピックアップ

PREP法の理解をさらに深めるためには、例文に触れて実際に体感してみることが重要です。最後に、例文をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

プレゼン例文

PREP法を用いたプレゼンの例文は下記の通りです。

Point(結論)Webマーケティングを実施することで、顧客数の向上と人件費削減を達成することができます。
Reason(理由)Webマーケティングを実施すれば、インターネットを利用するユーザーを顧客として獲得できる可能性があります。

また、マーケティング戦略をWebに集中させることで、チラシを配布する人材などを削減できるため、社内全体のコストを抑えることが可能です。
Example(具体例)ホームページにコラムページを新設したり、オウンドメディアを立ち上げたりします。

ターゲット層が求める情報を配信し、コンテンツマーケティングから顧客を獲得します。
Point(結論)以上のように、Webマーケティングによって顧客獲得やコスト削減を実現することができます。

報告における例文

次は、報告における例文をご紹介します。

Point(結論)部品の外注先に関してですが、A社からB社へ変更になりました。
Reason(理由)クライアントは元々、コストが安い外注先を検討していましたが、急遽品質重視に変更されたようです。
Example(具体例)A社はコストが安いですが、B社のほうが品質は高いとのことです。
Point(結論)そのため、外注先がA社からB社へ変更になりました。

ビジネスチャットにおける例文

最後に、ビジネスチャットにおける例文をご紹介します。

Point(結論)先日、ライター様にお願いしたコンテンツ制作に関してですが、納期を〇月〇日に変更いただきたいです。
Reason(理由)お願いしていたライター様の体調が悪くなってしまい、対応ができなくなってしまったようです。そのため、代わりに新しいライター様にお願いする運びとなりました。
Example(具体例)しかし、急遽お願いした案件になるため、新しいライター様が対応できるのが3日後となりそうです。
Point(結論)そのため、納期を〇月〇日に変更していただきたく、ご連絡させていただきました。

まとめ

今回、PREP法の概要やメリット・デメリット、練習方法や例文をご紹介しました。

PREP法を業務の中に取り入れることで、業務の効率化や人材価値の向上などさまざまなメリットを獲得することができます。早速この機会に、ぜひビジネスの中にPREP法を取り入れてみてはいかがでしょうか?

もしもっと深くPREP法を勉強してみたい方におすすめの書籍も下記からもぜひどうぞ。