リモートワークが浸透したとはいえ、新型コロナも落ち着き、クライアント先へ訪問する機会も出てきているのではないでしょうか。
そんな中、クライアントや上司とタクシーを利用して移動することが場合によっては出てくるかもしれません。
中には、タクシーに関するビジネスマナーを知らない、という方もいるかもしれませんので、この記事ではタクシーを利用するときのビジネスマナーに焦点を当てて、紹介します。
実は、車に乗るときにも上座・下座という概念がありますので、その辺りのビジネスマナーも紹介していきます。
タクシーに関するビジネスマナーの基本
タクシーを利用する際、乗車する前からビジネスマナーを意識する必要があります。
例えば、目下の者がタクシーを止める、荷物を積む、そして席次を守って座る、支払いなど、ビジネスシーンにおけるタクシー利用の基本マナーがさまざま存在しています。
そのため、一つ一つ掘り下げていきます。
目下の人がタクシーを止める
タクシーを利用するときは、目下の人がタクシーを探し、止めることが基本とされています。
例えば、取引先の方や上司と一緒にいる場合には、目下の人が先に道路に出てタクシーを止めましょう。
最近はタクシーの配車アプリの「GO 《ゴー》」などもあるので、タクシーを使うことが事前に決まっているようであれば、時間を確認した上で、事前に手配をするとスムーズに移動できます。
荷物の積み込み
荷物をトランクに積むのも目下の人が対応しましょう。
運転手の方が荷物を積む手伝いをしてくれる場合もありますが、目上の人の荷物を預かり、トランクに丁寧に積むことがビジネスマナーです。
例えば、上司と一緒に飛行機を使った出張に行くときなどは、このようにトランクに荷物を積み込むということが出てきますので、移動が多いビジネスパーソンは意識するようにしましょう。
タクシーでの上座と下座
導入でも一部紹介しましたが、タクシーでの座席にも上座と下座の概念があります。
2人で乗る場合や3人、4人と増えたとしても、一般的には、上の図の通り、運転席の直後ろが上座とされ、目上の人が座るべき場所です。
そして、支払いをするときのために、目下の者は助手席に座ります。
では、人数ごとの座席を図で紹介していきます。
2人の場合
2人の場合でも、基本的には、助手席が下座になるので、目下の人は助手席に座りましょう。
しかし、目上の人から後部座席を勧められた場合は、運転席の後ろに目上の人が座り、助手席の後ろに目下の人が座るのがマナーです。
3人の場合
3人の場合も、「上座:運転席の後ろ」⇒「助手席の後ろ」⇒「下座:助手席」という順番になります。基本を押さえていれば、間違えることはないでしょう。
【番外編】社用車や自家用での上座と下座
ちなみに、社用車などで移動する一部の場合は上座と下座が変わるので注意しましょう。
運転手が上司やクライアントの場合
場合によっては、タクシーではなく、社用車を使うことがあるかもしれません。そして、その社用車を上司やクライアントが運転するということもあるでしょう。
上司やクライアントが運転手となる場合は、下記のように上座は助手席となりますので、注意が必要です。
ただ、ややこしいのですが、社用車を目下の人が運転する場合は、タクシーと同様の席次となります。上司やクライアントが運転するときだけ、席次が変わるという形で覚えておきましょう。
女性が同乗するときの座席の配慮
女性と一緒にタクシーを使う機会もあるでしょう。
そんなときのビジネスマナーとして、女性が後部座席の中央に座ることがないように配慮しましょう。後部座席の真ん中は足元が盛り上がっているので、ヒールが高い靴を履いている場合には座りづらいためです。
そのため、窓側の座席に座ってもらうことで、女性に優しいマナーと言えます。
乗車する順番と降車する順番
タクシーに関するビジネスマナーとして、乗車する順番や降車する順番も知っておく必要があります。
一番最初に乗車するのは、目上の人であり、目下の人が最後に乗車すると覚えておきましょう。
そして、降車するときも乗車するときと同じように、目上の人が優先的に降車し、目下の人が最後に降車することが望ましいです。
目下の人が最後に降りる理由として、助手席(タクシーの場合の下座)の人が支払いを済ませたり、全員が降車した後に座席に忘れ物が無いかを確認するためです。
行き先を正確に伝える
助手席の下座に座った人が、運転手に行き先を伝えましょう。
事前に行先の住所や電話番号を把握しておくと、スムーズにタクシーが出発できますので、目上の人を待たせることなく、目的地に向かうことができます。
タクシー内での適切な振る舞い
これは一般的なマナーに近いものですが、タクシー内では足を組んだり広げたりすることはマナーとしても印象としても良くないので避けるようにしましょう。
また、車内では携帯電話の使用も最小限に抑え、一緒に乗っている人たちとの会話を意識しましょう。
同乗者への礼儀の姿勢を示すためにも、移動中の時間は意識が必要です。
停車する位置を配慮する
タクシーから降りるときの停車位置も気を使いましょう。
例えば、雨の日に屋根のない場所で停まることで、雨に濡れてしまう場合もあります。この点は、必要に応じて運転手の方に相談しましょう。
いずれにせよ、同乗者の方が快適で慌てずに降車できるように配慮が必要です。
精算するときのマナー
先ほども少し触れた通り、精算も目下の人が行いましょう。
スムーズな清算のためにも、ICカードや現金での支払いをしましょう。現金の場合は、事前にお釣りがでないように小銭を準備しておくと良いでしょう。
また、クレジットカードは清算に時間がかかる場合があるので、可能な限り避け、同乗者の方を待たせないように心掛けましょう。
また、経費精算をするときや、忘れ物の問い合わせ先を知っておくために、領収書も必ず受け取るようにしましょう。
全体のまとめ
この記事では、タクシーを使うときのビジネスマナーについて説明してきました。
席次もそうですが、思った以上にタクシーを使うときに覚えておきたいビジネスマナーは多いと感じた方もいたのではないでしょうか。
タクシーを仕事で使うときには、ぜひ、ここで紹介したビジネスマナーを思い出して、実践してみてください。